2021年2月24日10時17分

世界宣教祈祷課題(2月24日):マラウイ

執筆者 : 奥山実

世界宣教祈祷課題(2月10日):マラウイ
マラウイの子どもたち(写真:Swathi Sridharan / ICRISAT)

アフリカン・エンタープライズの退任指導者で、アフリカのビリー・グラハムと呼ばれた伝道者スティーブ・ルング(Stephen Lungu)が1月18日、COVID-19の合併症によって78歳の生涯を閉じ、天に召された。

葬儀は感染症防止対策のために、限られた人々でしめやかに営まれた。関係者によれば、もしパンデミックがなかったら、葬儀には累々たる人々が押し寄せたことであろうという。

ジンバブエの首都ハラレで生まれたルングは、7歳で捨てられ、虐待を受けながら路上生活をして育ち、10代後半で「ブラック・シャドーズ」というギャングのリーダーにまでなった。愛情とは無関係に育った彼は、神を憎み、貧しい黒人たちを搾取して豊かになった白人たちを憎んで生きてきた。

そんな彼であったが、10代後半のある日の夜、ガソリン爆弾を投げ込むためにギャングを率いて向かったキリスト教の天幕伝道集会で事件は起きた。

爆弾を投げ込むために、仲間と示し合わせた時間になるのを待っていた青年ルングの魂に、伝道者が語る福音のメッセージが突き刺さったのだ。彼はその晩、自分の命をキリストにささげる決心をし、泣き崩れて招きに応じて前に出たのだった。反対者にして迫害者であった若きギャングリーダーは、このようにしてキリストに捕らえられた。

彼は数十年間マラウイでアフリカン・エンタープライズのリーダーを務め、アフリカの11カ国でネットワークを広げ、伝道者として年間100万以上の魂にリーチしてきた。また彼は愛情と情熱をもって、後に続く何千もの伝道者らを鼓舞し助けた。

アフリカの巨星は墜ちたのだろうか。いや、彼の足跡は切り株となって、そこから新たな芽を芽生えさせることだろう。このようにして、絶えず福音の命は循環する。

伝道者スティーブ・ルングに続く力強い後継者らが起こされ、アフリカの救霊が進むように祈っていただきたい。

■ マラウイの宗教人口
プロテスタント 36・3%
カトリック 23・1%
イスラム 16・9%
土着の宗教 6・5%