2020年12月29日09時50分

ストレスは大切なことを教えてくれる 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

私たちの社会はストレスで満ちています。カナダの生理学者であるハンス・セリエ博士(Dr. Hans Selye、1907〜82)は、もともと物理学で使われていたストレスという言葉を使って学説を発表しました。金属に一定の力を加え続けると、歪んだり、折れたりしてしまうこともあります。それが人間に加わったとしたらひとたまりもありません。

ストレスには2種類あります。「良いストレス」と「悪いストレス」です。

良いストレスは、普段と違う環境の中で適度な緊張や興奮を感じることで、苦痛ではあっても、達成感や満足感を与えます。例えば、軽い運動などがそのストレスに当たります。また、カレーやキムチなどの刺激的な食べ物を食べるのも良いストレスに入るのではないでしょうか。

次に、悪いストレスがあります。やりたいと思ったことが拒絶されたり、道が閉ざされて断念せざるを得なかったりしたときなどに、全身でストレスを感じ、心と体に害を与えます。良いストレスはかえって健康にプラスになりますが、悪いストレスは健康を損ねてしまう可能性があります。悪いストレスとどう向き合い、関わったらいいのでしょう。

①「ストレス」にあらがおうとせず、そのまま抵抗しないで受け入れることが第一の対処方です。

②「なぜストレスを受けている?」のかを考えてみることです。決断を促されているかもしれません。あるいは、何かが間違っているので神が忠告をしてくださっているのかもしれません。立ち止まって静かに考える時を持ってください。

③ あなたのストレスに耳を傾け、苦しみを共感してくれる友達に心の内を聞いてもらうことです。ただ、話す相手を選ぶことは大切で、相手によっては弱みを握られたり、後で陰口を言われたりして、かえってストレスが増えてしまうこともあります。複数の友達に、小出しで少しずつ聞いてもらうのも一案です。

④ 祈ることです。ストレスが心に重くのしかかっていると祈りすらできないかもしれませんが、それでも祈ることです。私は、ただ「神様〜」とうめく祈りしかできないこともあります。しかし、心は次第に軽くなり、喜びに変わっていきます。神様がストレスを受け止め、代わりに背負ってくださるからです。

一人でストレスを受け止め、耐え続けたら心身が破壊され、あなた自身が潰れてしまう可能性がありますが、神に祈り、互いに助け合っていくならば、何も怖くはありません。ストレスはできれば避けたいものですが、ストレスがあっても大丈夫です。ストレスは神と人との絆を強められるチャンスであり、大切な何かを学ぶ機会です。いつの間にかストレスは宝物に変わっています。

苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした。私はそれであなたのおきてを学びました。(詩篇119:71)

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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