2020年10月28日10時12分

あなたは結婚相手を間違えてはいませんか 安食弘幸

コラムニスト : 安食弘幸

あなたは結婚相手を間違えてはいませんか 安食弘幸

あなたがたがほかの方、すなわち死者の中からよみがえった方のものとなり、こうして私たちが神のために実を結ぶようになるためです。(ローマ7:4)

一人の男が工事現場のそばを歩いていると、突然声が。

「危ない!止まれ!」

びっくりして立ち止まると、目の前に鉄筋が落ちてきました。間一髪で命拾いをしました。

声の主にお礼を言おうと辺りを見回すが、人影はありません。

しばらくして、角を曲がろうとすると再び「危ない!止まれ!」という声。びっくりして立ち止まると、角の反対側から車が猛スピードで走り抜けていきました。あのまま歩いていたら間違いなく、その車に跳ねられていました。

しかしこの時も人影はありません。男は不思議に思って「あなたはどなたですか」と聞くと天から声がしました。「わたしはあなたを危険から守るために神から遣わされた天使です」

それを聞いた男は天使に恨みがましく言います。「じゃあ、私が妻にプロポーズしたとき、あなたはどこにいたのですか」

まあ、夫妻の問題は「お互いさま」ということでしょう。

パウロはローマ人の手紙7章で、信仰生活の大切な真理を結婚生活にたとえて説明しています。

あるところに一人の女性がいます。性格はとても優しいのですが、時々注意散漫になり失敗をします。それに対して、彼女の夫は完全主義者で、とても几帳面で、自分に対しても厳しいのですが、妻に対しても要求が厳しいのです。

最初、彼女は夫の要求に一生懸命応えようと頑張ってみたのですが、要求はますますエスカレートしていきます。そんな夫に対して、彼女は毎日オドオド、ビクビクしながら暮らしています。そして、こんな生活から一日も早く解放されたいと願うようになり、「夫が死んでくれたら」と願ったこともありますが、夫は極めて健康。こんな夫との関係を解消する方法はもう一つしかありません。それは彼女の方が死ぬことです。

このひどい夫こそ「律法」の姿です。「律法」は、私たちに「あーしろ、こーしろ」と要求してきます。イエス・キリストを信じるとき、私たちは「律法」との関係を解消し、「イエス・キリスト」との新しい関係に入るのです。もし、クリスチャンとしての信仰生活に喜びが消えてしまったとしたら、それは新しい夫であるキリストに対する愛が病んでいるのです。

パトリック・ヒューズは1990年に重い障害を持って生まれました。眼球が生まれつきありません(当然視力は無く、義眼を入れている)。ひじとひざもまっすぐに伸ばせません。背骨も曲がらないように、体内には2本の金属棒が入っています。

それほどの障害を抱えながら、パトリックは音楽家として優れた才能を発揮しています。彼は生後9カ月でピアノを弾き始め、2歳になる頃には父親が弾くバイオリンのメロディーに簡単な伴奏をつけることができました。

大学を優秀な成績(3・95点/4点満点)で卒業し、ピアニスト、トランペット奏者、ボーカリストとして数々の大会で賞を獲得。多くのテレビ番組にも出演し、全米各地、カナダ、南米、欧州、アジアで演奏活動をしています。

彼の著書『I AM POTENTIAL』の中に彼の信仰の姿勢が明確に記されています。彼は言います。

「日々、不満や心配や思い煩いに心を奪われていると、毎日起こっている神の奇跡を見逃してしまう。私たちは神に感謝し、神を喜ぶように造られたのだ。神は私に人生の内面を見るように盲目を与えられた。そして、互いに愛を分け与えるために、家族を与えてくださった。これは、生まれる前から神が私のために立てられた人生の計画である。だから、今生きて、今与えて、今愛し、今笑おう」

「神の愛こそ、この世で最も力強いエネルギーです。神の愛を知っている限り、私たちは希望を失うことが絶対にありません」

彼は愛なる神との関係を深めるために、点字の聖書を毎日15分〜30分かけてじっくり読むのです。パトリック・ヒューズの信仰には、堅苦しさや息苦しさはまったく無く、新しいパートナーであるイエス・キリストとの愛の関係から生まれる喜び、安らぎ、希望にあふれています。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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