2020年7月4日21時41分

米教会、対面礼拝再開後約30人がコロナ感染 再びオンライン礼拝のみに

米教会、再開後約30人がコロナ感染 再びオンライン礼拝に切り替え
スタッフや信徒ら約30人が新型コロナウイルスに感染している可能性があるとして、教会の再閉鎖を決めたティルマンズコーナー第一バプテスト教会(米アラバマ州モービル)(写真:グーグル・ストリート・ビューより)

約2カ月間の閉鎖後、対面式の礼拝を再開していた米南部アラバマ州の教会で、30人近くが新型コロナウイルスに感染している可能性があることが分かり、教会は1日、対面式の礼拝を全面的に中止し、再びオンライン礼拝のみを行う措置を取ることを発表した。行政の指導に沿った感染症対策を行っていたが、この2週間で感染が急速に広がったという。

米フォックス・ニュース(英語)によると、再び教会を閉鎖することになったのは、同州南部モービルにあるティルマンズコーナー第一バプテスト教会。信徒約千人が通う同教会では、州の方針に従い、感染拡大防止のため3月15日から5月17日までの約2カ月間、対面式の礼拝を中止し、オンライン礼拝のみを行う対策を取ってきた。

対面式の礼拝を再開した後も、通常は日曜日に3回行っていた礼拝の数を5回に増やし、参加者の数も1回当たり最大850人だったものを最大130人程度までに制限するなどの措置を取っていた。この他、マスクの着用や消毒、参加者同士の間隔の確保など、基本的な感染症対策は行っていたという。

しかし6月下旬、スタッフの一人が新型コロナウイルス感染症と見られる症状を発症。このスタッフは当初、アレルギーによる症状だと考えていたという。その後、他のスタッフやボランティア、また礼拝参加者の中からも発症する人が出てきて、これまでにスタッフや信徒ら30人近くが感染した可能性があるという。発症者の多くは自宅で療養しているが、症状がひどく入院する人も出ている。

「問題は非常に速く広がったということです」。同教会のディレク・アレン主任牧師は、「皆さんは、感染しても最初は無症状だと聞いていると思いますが、私たちの経験からすると、それらはすべて真実です。日曜日の礼拝に参加してから数日間はまったく症状がなかったのに、突然発症した人たちもいました」と話している。

教会のホームページに掲載された発表(英語)によると、こうした事態を受け、7月中はすべての礼拝をオンラインで行い、7月に予定していた子どもキャンプ、学生キャンプも中止にする。

アレン牧師は、この2週間で教会内の感染が拡大したと説明し、「さらに感染が広がる前に、私たちは迅速に、また断固として、感染を食い止めるための行動を起こす必要があります」と強調。「深刻な状況」にあることを知ってほしいと述べ、再度の教会閉鎖に理解を求めた。