2008年10月28日05時15分

カトリック修道女への暴行を警察黙認、インド迫害


 インド東部のオリッサ州で8月、カトリックの修道女がヒンドゥー教徒から性的暴行を受ける事件が起きたが、現場にいた警官が黙認し、制止しなかったことが24日わかった。



 AP通信によると、被害者の年齢、国籍などは不明。顔を隠して記者会見に臨み事件を明らかにした。被害者によると、事件は8月25日、約50人の男が礼拝堂を襲った際に発生。暴行を受けた後、裸で路上を引き回されもしたという。



 事件発生時、路上には複数の警官がいたが、被害者の救助を拒否。被害者は地元警察に被害届を提出したが、逆に訴えを思いとどまるよう説得を受けたとしている。



 オリッサ州の警察は、事件発生から1カ月以上経ってから捜査を開始し、容疑者5人を拘束したものの、起訴されたかどうかは明らかになっていない。同警察は、性的暴行を証拠付ける診断書を待っていたため、捜査が遅れたと釈明している。



 同州では今年8月、ヒンドゥー教の指導者が殺害される事件が発生。事件をキリスト教徒による犯行と断定したヒンドゥー教徒が殺人、放火などの暴動を繰り返している。今回の暴動では、オリッサ州東部だけでも5万人のキリスト教徒が避難を強いられている。