2019年10月5日17時53分

なにゆえキリストの道なのか(215)旧約聖書は平和の書といえない? 正木弥

コラムニスト : 正木弥

旧約聖書には「聖絶せよ」と勧めている箇所がある、平和の書といえない。

「聖絶せよ」との勧めの多くは、イスラエルがエジプトから出て荒野の40年を過ごし、東からカナンの地へ入ろうとするときに神からあったことです。その地が道徳的にあまりに汚れていたため、神の民イスラエルがその悪い影響を受けることのないように、「聖絶せよ」と言われたようです。

そのほかサムエルは、荒野時代にイスラエルの旅のしんがりを襲撃して悩まし続けた略奪性民族アマレクを聖絶せよと命じています。

いずれも神が必要性を認めた特殊・例外的な事例と考えられます。それを最後の例とし、以後、神の原則は、国と国、民族と民族、人と人の間の平和であり、それらの根底となる神との平和な関係を訴えています。聖書は平和を強く勧めています。

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ