2018年12月13日23時09分

「タキフ君を救って」 心臓の難病でバヌアツから6歳男児が治療のため来日、募金呼び掛け

「タキフ君を救って」 心臓の難病でバヌアツから6歳男児が治療のため来日、募金呼び掛け
発病前(2016年)のタキフ君(左)と、発病後(2018年10月)のタキフ君。病気により全身に血液をうまく送ることができないため、体重が15キロまで落ちてしまった。(写真:神戸国際支援機構提供)

心臓の難病を発症したタキフ・ワレ君(6)と母親のアマンダさん(38)が、南太平洋の島国バヌアツから来日し、日本で治療を受けることになった。しかし、タキフ君の治療には保険が適用されないため、少なくとも800万円以上が必要となる見込みで、アマンダさんや治療の支援を行う「カヨコ基金」が募金を呼び掛けている。

タキフ君は今年8月、急性リウマチ熱に伴う心合併症と診断された。心臓の弁の機能が作用せず、全身に血液をうまく送ることができない病気で、治療をしなければ命の危険がある。しかしバヌアツや、隣接するフランス領ニューカレドニアには専門医がおらず、米国で治療を受けた場合、滞在費や交通費、医療費などを含めると2億円以上が必要と予想された。

そうした事態を受け、2015年のサイクロン被災後、孤児施設開設などでバヌアツに継続的に支援を行っていた神戸国際支縁機構が、海外部門の「カヨコ基金」を通して、タキフ君が日本で治療を受けられるようサポートすることを表明。外務省も人道的理由から急きょビザの発給を認め、来日にこぎ着けた。

タキフ君とアマンダさんは10日夜に関西国際空港に到着し、翌11日には治療を受ける神戸市立医療センター中央市民病院に向かった。12日には、アマンダさんと「カヨコ基金」代表で牧師の岩村義雄氏が兵庫県庁で記者会見を開いた。

「タキフ君を救って」 心臓の難病でバヌアツから6歳男児が治療のため来日、募金呼び掛け
関西国際空港に到着したタキフ君と母親のアマンダさんを迎える岩村氏=10日(写真:同上)

クリスチャンであるアマンダさんは「バヌアツでは治せない病気ですが、タキフの信仰は強く、むしろ母親の私の方を励ましてくれます」と述べ、募金への協力を訴えた。

また、岩村氏は本紙に「NHKをはじめ、日本の報道関係者も好意的に協力してくださっているおかげで、街頭募金でも通行人が『タキフ』の旗や看板を見ると近付いてくださいます。不可能を可能になさる神が人知を超えた介入をなさるのを目撃させていただいています」と語った。

「タキフ君を救って」 心臓の難病でバヌアツから6歳男児が治療のため来日、募金呼び掛け
神戸市立医療センター中央市民病院で鶴田悟(さとる)小児科部長から診察を受けるタキフ君=11日(写真:同上)

募金は来年7月31日まで下記で受け付けている。問い合わせは、「タキフを救う会」(神戸国際支縁機構内、神戸市垂水区狩口台5−1−101、電話:078・782・9697、FAX:078・784・2939、携帯〔岩村〕:070・5045・7127)まで。

<募金受け付け口座(郵便振替)>
【口座番号】00900・8・58077
【加入者名】一般社団法人神戸国際支縁機構(通信欄に「タキフ」と明記)