2018年8月30日10時50分

温故知神―福音は東方世界へ(105)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本50 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(105)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本50 川口一彦

<本文と拓本>文字32(1519+32=1551)

高宗纂祖(高宗は祖を纂ぎ)、更築精宇(更に精宇を築く)。和宮敞朗(和宮は敞朗にして)、遍滿中土(遍く中土に満つ)。真道宣明(真の道を宣明にし)、式封法主(式は法主を封ず)。人有樂康(人に楽康あり)、物無灾苦(物は災苦なし)。

<現代訳>

高宗皇帝は先祖を引き継ぎ、さらに会堂を築き、広い会堂は中国全土に満ちました。真の教えの景教を宣明し、礼拝は景教指導者によって行われます。人は楽しみと安らぎを受け、物は災難がありません。

<解説>

高宗皇帝の時代について要略し、景教の働きにより中国は平安であったと記します。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。