2018年6月4日23時45分

『宗教年鑑』17年版発表、キリスト教系は法人・教師数で増 信者数は減

『宗教年鑑』17年版発表、キリスト教系は法人・教師数で増 信者数は減
『宗教年鑑』(2017〔平成29〕年版、文化庁編)

日本国内の宗教統計調査をまとめた『宗教年鑑』(文化庁編)の最新版(2017〔平成29〕年版)がこのほど発表された。それによると、日本国内には約18万1500の宗教法人が存在し、このうちキリスト教系は包括宗教法人(教団など)が71法人、単位宗教法人が4690法人だった。法人化されていない宗教団体を含むと、キリスト教系は8618団体。前年と比べ、包括宗教法人は増減がなかったものの、単位宗教法人は33法人増加した。またキリスト教系の教師数は3万586人で、前年比615人増。一方、信者数は191万4196人で、前年から1万3883人減少した。

教師数の内訳は、男性2万6258人(うち外国人2391人)、女性4328人(同904人)と、男性が女性の約6倍だった。前年は男性2万5757人(同2441人)、女性4214人(同868人)で、男女比はほぼ同じ傾向にある。

キリスト教系の信者数191万4196人は、全宗教の信者数の1・1パーセントだった。ただし、宗教年鑑に記載の統計調査は、各宗教法人による報告に基づくもので、信者の定義や資格などに違いがあることなどから、各宗教団体で重複することもあり、信者総数は1億8227万人と、実人口1億2649万人の約1・44倍になっている。

都道府県別では、キリスト教系の宗教団体数(宗教法人数)は、東京1003(581)、大阪543(328)、北海道540(331)、神奈川510(275)、兵庫434(273)の順で多かった。信者数は、東京85万6646人、神奈川30万4358人、大阪7万3549人、長崎6万5099人、兵庫6万1653人の順だった。

キリスト教系の上位15団体(信者数順)の宗教団体数、教師数(うち外国人)、信者数は下記の通り。

  1. カトリック教会 971、1392人(514人)、44万1107人
  2. 日本基督教団 1712、3293人(68人)、11万7773人
  3. 日本聖公会 324、267人(29人)、4万9228人
  4. 日本バプテスト連盟 285、441人(45人)、3万3984人
  5. 日本福音ルーテル教会 122、78人(2人)、2万1810人
  6. セブンスデー・アドベンチスト教団 172、83人(17人) 1万5194人
  7. イエス之御霊教会教団  192、170人(1人)、1万4519人
  8. 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団 164、393人(44人)、1万2749人
  9. 日本同盟基督教団 243、489人(93人)、1万2463人
  10. 日本キリスト教会 136、163人(2人)、1万1493人
  11. イムマヌエル綜合伝道団 113、211人(0人)、1万1378人
  12. 日本キリスト改革派教会 43、108人(5人)、9779人
  13. 日本正教会 67、35人(2人)、9499人
  14. 日本イエス・キリスト教団 129、213人(3人)、8113人
  15. 日本ホーリネス教団 171、268人(7人)、7561人

なお、キリスト教系には末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)も含まれており、宗教団体数は271、教師数は1106人(うち外国人891人)、信者数は12万6500人だった。

全宗教の信者数は前年と比べ663万人減り、神道系、仏教系、キリスト教系、諸教すべてで減少した。これは日本の人口減少に伴うものとみられる。

また全宗教で見ると、包括宗教法人はほぼ横ばいだが、被包括宗教法人は毎年減少し、一方で包括宗教法人に所属しない単位宗教法人は毎年増加している。教師数は毎年増減があり、信者数は緩やかな減少傾向にある。