2018年5月26日08時41分

なにゆえキリストの道なのか(144)短いこの世の人生を最大限に楽しく生きればいい? 正木弥

コラムニスト : 正木弥

永遠を求めても不可能なことだ。短いこの世の人生を最大限に楽しく生きればいいんだ。

人の肉体の命は70年か80年(最近は90年になっているかもしれませんが)。しかし、“死後”はずっと続くものですから、そういう意味で永遠であるということです。死後は“無”(何もない)という人にとっては永遠でないという余地もありますが、それは議論だけのことで、実際には大半の人が、霊魂が何らかの状態で存続していると考えているようですね。葬式の弔辞で「天国で安らかに眠ってください」と呼び掛けたり、多くの家で長期間霊魂の供養をしたりしておりますが、それは霊魂の存続を前提にした習俗ではありませんか。

とにかく、この世の年数は限られていますが、死後の年月は長く長く続きますから、永遠と呼んで不当ではありません。その永遠がどんなものか、世間一般の人は“分からない”というのが偽らざる答えでしょう。少なくとも、楽しいものでないことは何やら察しているようです。だから、今のうちに(この世の命があるうちに)精々楽しんでおこうと考えるのではないでしょうか。「明日は死ぬんだ。さあ、飲み食いしようではないか」というヤケ気味で享楽的な生き方になるのです。そこからは、希望も建設的な生き方も出てきません。

ところが、このような人間の生を救うために、キリストの神が来て言われました。「父(なる神)のみこころは、子(キリスト)を見て信じる者がみな永遠のいのちを持つことです。わたし(キリスト)はその人たちをひとりひとり終わりの日によみがえらせます」(ヨハネ6:40)

死ぬことは、いったん死んでも無に帰するのではなく、また、死んだままにしておくのでもなく、終わりの日によみがえらせてくださる、永遠の命を持つようにしてくださるというわけです。ただし、これは子(キリスト)を信じることが前提です。永遠は不可能だとハナから諦める必要はありません。キリストを信じさえするなら、永遠の命が与えられるのです。

その永遠は、楽しさや喜びに満ちあふれるところ、死や苦しみといった厭(いと)わしいものが一切ないところです。途中、パラダイスで待ち合わせの時がありますが、最終的な行き先、落ち着き先がそこ。明るい、希望に満ち、生きがいと喜びに満ち、まさに永遠に命が満ちている所なんです。

この世の短い間をはかない享楽で精いっぱい楽しく過ごすために、永遠の時の、永遠の命を棄ててしまうのはもったいないじゃないですか。これが絶対にないと決めつける証拠はありません。うそか真か、信じてみてはどうですか。信じて損をすることは何もない、逆に、あればしめたものじゃないですか。聖書の約束、キリストの神の言葉の方に懸けてみる方が賢明ですよ。

マラソンの中継番組をテレビで見てごらんなさい。苦しくても、ゴールを目指して走り続けるでしょう。行き先をはっきり見ている人はダレることがありません。まして、その行き先が、楽しくて栄誉に満ちたものであれば、一生懸命走り通せるのです。それを絵画的に言うと、

♪(キリストの)黒い瞳が待つよ、あの森 越せば
走れトロイカ  今宵は楽しい 宴(うたげ)♫

あの森さえ越せば楽しい宴(うたげ)が待っているのです。今、楽しくなくても、今、吹雪の中でも、走り続けようではありませんか。

人がどう生きようと「すべて死んでしまって終わり」では良く生きる意味がありません。「キリストを信じるなら(この世ではともかく)永遠に続く世で必ず良く報われる。悪く生きるなら、結局は必ず悪く報われる」。これが神の公義であり、世界の大原則です。

これによって、この世の人生の不平等も、またこの世の人生の不条理も、この世の人生の運・不運も、またこの世の人生の不満足も、よい解決を与えられるのです。すっきりと納得のいく人生、大満足の人生となるのです。聖書はこのことを固く約束しています。

神に近づく者は、神がおられることと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならないのです。(ヘブル11:6)

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ