2018年3月29日16時55分

温故知神―福音は東方世界へ(94)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本39 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(94)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本39 川口一彦

<本文と拓本>文字32(1176+32=1208)

廣慈救衆苦(慈しみを廣くして衆苦を救う)、善貸被群生者(善く貸して群生を被らせるは)、我修行之大猷(我が修行の大猷で)、汲引之階漸也(吸引の階漸なり)。若使風雨時(風雨をしての時)、天下静(天下は静に)、人能理(人能く理まり)、・・・

<現代訳>

慈悲の心は不幸で苦しむ民を救い、善く貸して国民を助けることは私たちの徳目の目標で民を導くことです。もし風雨(苦難の時を表現した言葉)の時、天下は静まり、人は治まり・・・

<解説>

国の政策が国民に目を向けるなら国は発展していきますが、皇帝の傲慢で政治を行うなら民は苦しみ、争いや犯罪が横行します。この時代は、慈悲の心で苦しむ民に手を差し伸べたことが書かれています。景教の使命と実践は慈悲と扶助であり、そのためには主である神様に倣うことが勧められていました。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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