2017年12月8日21時43分

温故知神―福音は東方世界へ(86)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本31 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(86)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本31 川口一彦

<本文と拓本>文字32(926+32=958)

冩真寺内安置(五聖の写真を寺内に安置す)。賜絹百匹(絹百匹を賜い)、奉慶睿圖(睿圖<皇帝画>を奉慶す)。龍髯雖遠(龍髯<皇帝の姿>が遠しと雖も)、弓劔可攀(弓劔は攀ぐべし)。日角舒光(日角は光を舒べ)、天顔咫尺(天顔は咫尺<身近>なり)。三載(三載<天寶三年・744年>)、大秦國・・・

<現代訳>

会堂に安置し、絹百匹を下賜されました。皇帝の写真によって祝うと、遠くにおられる皇帝のお姿が護衛兵の弓劔を通し、額の中央部から光を放ち、お顔を身近に感じます。天宝三年744年、大秦國の・・・

<解説>

景教と皇帝との関係が悪い状況ではなく、すこぶる良好であったこと、景教会堂は皇帝の護衛兵で守られていたことも述べ、皇帝の表現は余りある言葉で譬(たと)えている。日角は額の左側の隆起部分をいう。右側は月角といい、光を放つといわれた。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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