2017年12月2日08時48分

なにゆえキリストの道なのか(120)クリスマスは異教的? 正木弥

コラムニスト : 正木弥

クリスマスは異教的だ。後代に始まったもので、意味はない。

クリスマス(キリスト降誕記念祭)の日付については、3世紀初めアレキサンドリアのクレメンスが5月20日を推定し、この日を中心に4世紀後半以降、毎年祝われるようになりました。

一方、12月25日に祝った最古の記録はAD336年にあります。ローマの行事に関する暦の中で見いだされます。当時、異教の太陽誕生の祭りに対抗して、キリストは義の太陽であるとして、冬至の後の初めてのある日に、その出現を記念して厳粛荘厳に祝われていたようで、それがローマから周辺に徐々に広まったと推定されています。

同じ頃、ローマで冬季に行われていたサトゥルナリアの祝祭が、これに合流して祝祭的酒宴的要素が加わってきました。さらに、北欧にキリスト教が受容されたとき、それぞれの地方の土俗的習慣が結びつき、また、ドイツのクリスマスツリーなども加わって、今日のようなありさまへと発展したようです。

クリスマスは本来、そのようなものである必要はありません。キリスト降誕の期日も、上述のとおり、確かなものがあるわけではありません。ただ、キリストが降誕した事実は確かであり、それを喜び、記念することは大きな意味があります。

クリスマスは他の日に祝っても構いません。しかし、他の日も根拠があるわけでないので、多くの教会が12月25日を中心に祝うのをとがめだてすることでもありません。また、クリスマスは他のやり方で祝っても構いません。祝うこと自体が意味あることなのです。

記念することの大切さから言うと、キリスト受難日、復活日(イースター)も根本的に重大なことで、より大事にされるべきことでしょう。

<<前回へ     次回へ>>

◇

正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ