2017年11月8日06時19分

鈍感力と敏感力 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

私たちは、情報過多の中を生きています。凶悪事件は激減しているにもかかわらず、凶悪事件がたくさん起こっていると感じている人がたくさんいます。それは、マスコミの影響です。実際、詐欺などの軽微な犯罪、性犯罪は増加の傾向にありますが、前述のように、凶悪事件は減っています。しかし、かつては報じられなかったような事件や事故の一つ一つが報じられるようになっています。

もしマスコミが、世の中のグッドニュースばかりをたくさん報じたとしたらどうなるでしょうか。多くの人は面白くないし、みじめな気持ちになったり、ねたみを感じることでしょう。「あっちも大変」「こっちも大変」というニュースを見ることで、自分よりかわいそうな人がいることを知って、「自分はまだましだな」とつかの間の安心と慰めを得ています。私は、新聞・雑誌が売れること、テレビ・ラジオが視聴率を上げることばかりを考えず、本当に伝えるべきニュースをできるだけ公平に伝えるべきだと思います。

ごくまれですが、誤報の緊急地震速報が報じられることがあります。その時は大変な混乱が起こりますが、こういうことがもし繰り返されたとしたら、だんだん地震速報に鈍感になっていくでしょう。そうじゃなかったら、疲れてしまうでしょうから。たくさんの凶悪犯罪、目を覆うような事件・事故。こういったものが毎日報じられるたびに泣いて目をはらしていたら疲れてしまいますので、だんだんそういうニュースに鈍感になっていきます。

人のうわさ話、三流週刊誌のゴシップ、ネットの誹謗(ひぼう)中傷などには鈍感になった方がいいと思います。しかし、敏感にならなければいけないことがあります。それは、人の親切や愛情、称賛に値すること。そして、聖書の言葉です。

聖書は、「どんなことにもクヨクヨするな!」と語ります。これは、人生を充実して生きるために必要なことです。時代が変わり、価値観が変わっても、聖書の言葉は変わることがありません。この言葉に敏感になる必要があります。そして、美しいこと、称賛に値すること、感謝すべきことに敏感になっていきましょう。 聖書に対する「敏感力」が大切です。

「兄弟たちよ。すべて真実なこと、すべて尊ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべきこと、すべてほまれあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらのものを心にとめなさい」(ピリピ4:8)

それを踏まえた上で、「鈍感力」をオススメいたします。祝福を祈ります。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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