2008年8月12日04時25分

戦争の悲惨さ伝える独カイザー・ヴィルヘルム記念教会、補修迫られる

ベルリン大空襲で破壊されたが戦争の悲惨さを伝えるためにその修復されずに保存されえいるカイザー・ヴィルヘルム記念教会。手前には1962年に再建された現代式建築の教会が建っている。

 【CJC=東京】ベルリンの繁華街クアフュルステンダム通りにあるカイザー・ヴィルヘルム記念教会は、1943年のベルリン大空襲で破壊された。戦争の悲惨さを伝えるために、高さ68メートルの鐘楼などが崩れたままの姿で保存され、「虫歯」とあだ名を付けられるまでになった。同じ敷地内に62年、現代様式の新会堂も完成した。



 しかし保存部分は破損が進み、2年間にわたる調査で、鐘楼の石造外壁に割れ目が見つかり、内壁も損壊が進み、構造的にもゆがみが出ていることが分かった。



 緊急補修のため募金が開始され、昨年暮以来45万ユーロ(約7400万円)が集まった。募金運動を担当するカイゼルウエッテル社のカスリン・ドスト報道担当は、総額330万ユーロが必要と8月5日、一層の支援を訴えた。AP通信が報じた。



 ドスト氏は、工事は数カ月前に始まる計画だったものが、今だに始まっていないと言う。ベルリン市の助成も実現していない。教会側は、冬場に水が割れ目に入って凍ると損害が悪化するかもしれない、と専門家が懸念している、と言う。