2017年10月17日20時30分

聖ニコラウスの墓発見か、サンタのモデルとなった4世紀の大主教

サンタクロースのモデル 聖ニコラウスの墓、トルコの教会地下に存在か
トルコ・デムレの聖ニコラウス教会にある別の聖遺物箱。イタリアの商人により持ち去られるまで、聖ニコラウスの遺骸(聖遺物・不朽体)が収められていたと考えられてきたが、今回の発見により、実際の聖遺物箱は教会の地下にある可能性が出てきた。(写真:Sjoehest)

サンタクロースのモデルとされる4世紀の聖人、聖ニコラウス(270〜343)の墓が、トルコにある古代の教会で発見された可能性がある。

トルコのデイリー・サバフ紙(英語)などによると、トルコ南西部アンタルヤ県のデムレにある聖ニコラウス教会でデジタル調査が行われ、教会の地下部分に、聖ニコラウスの遺骸(聖遺物・不朽体)が収められているとみられる手つかずの「聖遺物箱」が保存されている可能性があることが分かった。

調査を行っているアンタルヤ県遺跡保存公社のセミル・カラベイラム氏らは、聖ニコラウスの遺骸に関する1942年から66年までのあらゆる文献についても調べており、同教会が一度焼失し、その後再建されたことも明らかになったという。

聖ニコラウスの遺骸はこれまで、1087年にイタリアの商人によって同国南部の都市バリに持ち去られたと考えられてきた。遺骸はバリにあるサンニコラ(聖ニコラオス)聖堂に安置されており、カトリック教会や正教会はこれを聖ニコラウスの遺骸として認めているが、今回存在が明らかになった聖遺物箱から新たな遺骸が見つかれば、通説が覆される可能性がある。

カラベイラム氏は、地下にある聖遺物箱について、荒らされていない完全な状態の可能性が高いと見ているが、教会の床にモザイク画があるため、取り出すのは非常に難しいと言う。しかし、最終的には遺骸は見つかると考えており、現在さまざまな分野の研究者と協力を模索している。