2017年9月28日05時49分

温故知神―福音は東方世界へ(81)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本26 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(81)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本26 川口一彦

<本文と拓本>文字31(771+31=802)

土宇廣闊(土宇は廣闊にして)、文物昌明(文物は昌明なり)。
高宗大帝克恭纉祖(高宗大帝は恭しく克く祖を纉ぎ)、潤色真宗(真宗を潤色す)。而於諸州各置景寺(而して諸州に各景寺を置き)、仍崇阿羅夲為鎮國大法主(仍って阿羅夲を崇び、鎮國大法主と為す)・・・

<現代訳>

国土も潤い、文明も栄えています。
高宗大帝(628~683、在位649~683、第3代皇帝で諡号は天皇大帝)は、恭しく皇祖の意思を継がれ、真宗[注]である景教を潤し、中国諸州に景教の寺(会堂)を置かれました。阿羅本は鎮国大法主となって・・・

[注]真宗は景教のことで真の宗教のこと。用語としては仏教書『続高僧伝』(645年成立)に「三蔵を聞いて遠く真宗を究め・・・」とある。

<解説>

当時の中国は諸州約360といわれ、景教会堂は全国各地に存在していたと考えられます。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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