スイス2回目視察シリーズ ③ スムフィットの聖ベネディクト教会
Saint Benedict Chapel, Sumvitg
設計者 ペーター・ツムトール Peter Zumthor 竣工 1988年
訪問日 2003年9月9日
建築に携わる者として、1度は見ておくべき有名な建物。民家の間を下から登って見上げると、山の傾斜面に立つ建物の大きさに驚いた。アララト山にたどり着いたノアの箱舟がこちらに向かってくるように感じた。ペーター・ツムトール氏が世界に対して何かを語り掛けている。
教会前の山道を登って上から見下ろすと、1枚の木の葉がこの地に舞い降りたようなシンプルな教会堂が見えた。見れば見るほどに自然と一体になった。ペーター・ツムトールを有名にしたこの建物は、今でも目に焼き付いている。
外壁は杉の木板張りでこげ茶色。数段の石段を上って小さい入り口から中に入る。内部は舟底を思い出させ、会堂全体をぐるりと回った高窓からの光で明るくモダンな空間。天井も床の張り方も斜めの線が葉脈を思わせるデザイン。高い天井から床まで細身の木の柱が何本も連続して通っているので、垂直方向に意識が向く。目を下ろせば、聖卓と会衆ベンチは平らな板を組み合わせた簡潔な水平方向。

村の教会
民家の間から
ノアの箱舟

十字架塔
山道側
尖った部分が山の頂上側 小さい入り口
入り口から聖壇を見る
葉脈のような天井と高窓、天井を支える細身の柱
天井からつり下がった照明

左側が入り口
聖壇に黄色の花が供えられていて、この教会を愛する村人のぬくもりを感じた。
聖卓
会衆席
山道の上から

教会から村を見下ろす
山道を下る
車道から山道を上がる
雪崩で崩壊した元の教会
ジュネーブ日本倶楽部(JCG)の会報「BONJOUR!れまん」(岸井敏牧師が書いているコラムの2014. 11月号)に掲載されたもの。ハチローは岸井牧師の腹話術芸名。(※本記事は、JCG広報編集委員会の了解のもと掲載しています)

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