2017年8月8日07時55分

百人一読―偉人と聖書の出会いから(54)小倉昌男 篠原元

コラムニスト : 篠原元

百人一読―偉人と聖書の出会いから(54)小倉昌男 篠原元
ヤマト運輸の配送車(写真:Tennen-Gas)

一瞬の恥を覚悟で逃げて(自分の)役に立てば、よいものなのでしょうか? 人間の一生、人生とは。

「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親であり、ヤマト運輸の代表取締役社長を務めた小倉昌男という偉大な実業家がいました。ヤマト福祉財団理事長としても活躍され、著書も多くあります。クリスチャンであった小倉昌男が、このように語っています。「自分が人にしてもらいたいと思うことを相手にもしてあげること。自分がやられたら嫌なことは相手にもしない。この二つに行き着くんだね。僕はそうやって経営をやってきたんだよ」(『100人の聖書』85ページ参照)

自分が人にしてもらいたいことを相手にもするということは、自分に不利益(不都合)であっても逃げずに、立ち止まって、相手のために何かをやってあげるということです。

皆さんもお世話になっていると思います「クロネコヤマトの宅急便」を全身全力でスタートした小倉昌男の言葉に注目してみましょう。この言葉が教えるのは、逃げないことだと思います。

「逃げるは恥だが役に立つ」が有名ですね。でも、逃げずに立ち止まり、相手(他人)の役に立つ生き方をしてみませんか。つまり、「逃げないことはカッコよくて、人の役に立つ!」。このような生き方を。小倉昌男が、巨大な壁を前にしても退かずに(逃げずに)、必死になって闘ってくれたからこそ、私たちは、日ごろ宅急便という存在の恩恵にあずかっています。

小倉昌男が、巨大な壁、理不尽な要求などを繰り返す国や企業の前から逃げていたならば、彼は楽になり、彼の人生そのものには(逃げることが)役に立つことだったでしょうが、今の宅急便の便利さはなかったかもしれません。

今日から、小倉昌男のように、人の役に立つ生き方をしていく人がいれば、宅急便以上のスゴイことがそこからスタートするかもしれません。それは、自分に不都合、不利益なことかもしれませんが。

「逃げるは恥だが(自分の)役に立つ」という生き方でなく、今日から「逃げないことはカッコよくて、人の役に立つ」という生き方をしていきませんか?

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篠原元著『100人の聖書』

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篠原元

篠原元

(しのはら・げん)

1991年7月、東京都生まれ。プロテスタント・炎リバイバル教会伝道師。VIPクラブ、キリスト教各団体、ホテルなどにて講演、テレビ番組「ライフ・ライン」などに出演。社会福祉活動団体「100人の聖書基金」の、学校・児童養護施設・病院などへの書籍寄贈活動に著者として携わっている。著書に『100人の聖書』。2021年より NOVEL DAYS、エブリスタ等にて連載小説配信。

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