2017年5月7日06時53分

なにゆえキリストの道なのか(90)動物を殺して食べるのは殺生であるからよくないのか 正木弥

コラムニスト : 正木弥

一寸の虫にも五分の魂という。動物を殺して食べるのは殺生であるからよくない。

牛や豚、羊や鶏を屠殺(とさつ)し、海の魚を捕獲して食用にすることは殺生だからよくない、と仏教は教えます。どのような理由で動物にまで不殺生戒を広めているのかよくは分かりません。すべてのものに仏性が宿るという悉有物性(しつうぶっしょう)〔汎神論〕から由来するのであれば、植物も食べるべきでない、ということになります。

一方、聖書は、ノアとその息子たち(当時の人間のすべて)にこう述べています。「生きて動いているものはみな、あなたがたの食物である。緑の草と同じようにすべてのものをあなたがたに与えた」と。ここで、人間と動物とは取り扱いを別にし、原則としてどんな動物をも食用にすることを認めています。

人間の造り主であり、かつ動物の造り主が、そのように基準を与えてくれたわけです。人間が生きていけるように、栄養を豊かにしてくれた神様の恵みに感謝したいと思います。

<<前回へ     次回へ>>

◇

正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ