2017年4月3日19時21分

米メガチャーチ、中東難民のために30万食用意 地元の貧困家庭にも

記者 : 山本正浩

米メガチャーチ、中東難民のために30万食用意 地元の貧困家庭向けにも
フロリダ州ロイヤルパームビーチにある「クライスト・フェローシップ」の拠点の1つで、食料を袋に詰める同教会の教会員ら=3月19日(写真:同教会のフェイスブックより)

米フロリダ州にある福音派のメガチャーチが、たった2日間で難民のために30万食余りの食事を用意した。送り先は、過激派組織「イスラム国」(IS)や現在も進行中のシリア内戦のために国外へ逃れた難民たちである。

フロリダ州南東部に複数の拠点を持つ「クライスト・フェローシップ」は3月18、19の両日、3回目となる「メイク・ア・ミール」(食事を作ろう大会)を開催した。8カ所ある全ての拠点で合計約1万2500人の教会員が奮闘し、中東の難民と南フロリダの恵まれない人たちに食事を準備した。

クライスト・フェローシップのフィリップ・マクラッケン宣教部副部長は、週末にかけて48万9千食余りの食事を用意できたと、クリスチャンポストに語った。

そのうちの30万食は、キリスト教主義の人道支援団体「ワールドヘルプ」により中東の大規模難民キャンプに配給され、残りはフロリダ州南部の貧困家庭のために、地元のフードバンクや他の奉仕団体によって配給される。

マクラッケン氏は、どの難民キャンプに食事が配られるかは言えないとしつつも、用意された食事の大部分がイラクとシリアの難民に配られると説明する。

「メイク・ア・ミールは、簡単に奉仕ができる機会をつくる目的で、当教会が行っている行事です。これにより、教会員はわずかな時間で奉仕ができます。1人当たりの作業は短時間であるにもかかわらず、全体を見ると『うゎー、みんなでやると本当に大きな働きになるんだねぇ!』という感じです」と、マクラッケン氏はクリスチャンポストに語った。

「これは主イエスのように隣人を愛し、助ける使命を実践できる最もシンプルな方法だと私は考えています」とマクラッケン氏。「恵まれない人に食料を提供することは、愛を実践する方法であると同時に、その人たちに仕えることでもあります。福音を分かち合うという使命を実践できる良い機会になります」

難民用に袋に詰め込まれた食事は、砂糖、乾燥野菜、ビタミンなどが含まれる米製品。他方、地元用に袋に詰め込まれた食事は、ビタミン、シナモン、砂糖が含まれるオートミール製品。

食材の一部は教会の献金で賄ったが、教会に出席する地元の農家たちが、「莫大な量」の米や砂糖を献品したという。

「農家の人たちはいつもこの教会に来ている人たちで、祝福されて豊かに与えられたものをもって、このイベントを支援する召しを感じたのです」とマクラッケン氏は言う。

クライスト・フェローシップは2年前から「メイク・ア・ミール」を開催しているが、地元の恵まれない人たちのために食事を用意したのは今回が初めて。これまでは国外に配給される食事だけを用意しており、初めて行った2015年はハイチ、16年は西アフリカの内陸国ニジェールの恵まれない人々に食料を送り届けた。

このイベントに参加した教会員の多くは、礼拝後に約20分間、作業しただけだという。「各自が袋を6枚もらい、その6袋に食料を詰め終わったら、自分の分担は終わりということにしました」とマクラッケン氏。「多くの人が礼拝後も残り、初めから終わりまで手伝ってくれます。指示を受けた後、袋を6枚もらい、作り終わるまで1人20分くらいです」

「大勢の人が少しずつ作業するだけで、全体としては思った以上の仕事になるというのは、今も昔も変わらないお手本です」「教会員の一部の人にとっては、今回の奉仕が動機付けとなって、別の奉仕をすることにつながるのではないかと期待しています。それは地元のためでも、外国のためでも良いと思います」とマクラッケン氏は語った。