2017年3月30日13時30分

温故知神—福音は東方世界へ(69)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本14 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神—福音は東方世界へ(69)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本14 川口一彦

<本文と拓本>32文字(392+32=424)

所以有外行(外行有る所以)、削頂所以無内情(頂きを削るは内情なき所以)。不蓄臧獲均貴賤於人(臧獲を蓄えざるは貴賤を人に均しくす)。不聚貨財示罄遺於我(貨財をあつめざるは我ら罄遺を示す)。齋以

<現代訳>

外行的に生きる証し、頂きを削るのは心に悪意のない証しです。また、奴隷を持たないことは貴賤の差別を設けないことであり、財産を集めないことは遺したものがそれを示しています。

<解説>

景教徒たちの信仰生活がシンプルライフであったことが分かります。ペルシャや中央アジアから外国の中国に宣教に来ていたことや、信仰を持った現地人の中国人にもシンプルライフを教えていたと考えます。主イエス様は弟子たちに宝を天に貯えよと教えられたのに倣ったのでしょうか。

新約聖書の著者たちも、そのように教えている聖句に出合います。人は物品財産を持ち過ぎると、それに心が移り、信仰生活に支障をきたします。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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