2017年3月2日11時45分

死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(109)とりなしの祈りの根本 米田武義

コラムニスト : 米田武義

とりなしの祈りの根本

とりなしの祈りなどしたこともなかったのに、始めて数カ月くらいになったろうか。身近なところから、教会、近所、親戚と広がっている。

身近なところで、勇一と悦三は欠かさず祈っている。勇一は職業、結婚、健康など、悦三は職業、結婚生活、健康などであるが、最近悦三が米国より帰阪したとき、血圧を測ったら、大分高いことが判明し、最初は祈りが聞かれていないのではと戸惑った。しかし考えてみると、これによって悦三も真剣に健康のことを考えるであろうし、関連して自分の職業や家庭の食事、生活のことまで考えを及ぼすであろうと期待している。

今まで何を忠告しても軽く聞き流していたのが、やっと腰を上げたという思いを持っている。考えてみれば、血圧が高いということは心配の種ではあるが、その1つのことを中心にして、全て他のことを配慮することが、しかも心を入れてできるということは、素晴らしいことである。

また2つ目には、一病息災という諺(ことわざ)もあるように、今まで無頓着であった自分の体にも配慮するようになることも期待できる。このように考えると、高血圧といっても、まだ初期の高血圧であるし、このことを通じて健康、生活、仕事全般に自主的に配慮し、考慮し、最高の道を選んでいくことは、本当に素晴らしいことであると思う。まさに神様が悦三に与えてくださった、最良の手段といえる。

勇一に関しても、祈りの内容が多岐にわたっているが、神様が一本筋の通った解決策を示してくださるようお願いしたい。やはり本人が心から信じて、意志を持って手を打っていくというやり方がなければ、何事も成功しないだろうし、続かないだろうと思う。

「あなたの信仰があなたを直したのです」(マルコの福音書5:34)

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米田武義

米田武義

(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術国内留学生)で学ぶ。国土防災技術を退職し、米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』。