2017年2月16日14時43分

死に勝るいのちを得て(107)神は祈る前より私たちを知っておられる 米田武義

コラムニスト : 米田武義

神は祈る前より私たちを知っておられる

今私が自分のことで真剣に祈っていることは、抗がん剤が内臓や血液に再起不能なほどにダメージを与えてほしくないということである。こういうことを祈るということは、今の段階では、神様が目に見えるところのがんの陰影を完全に癒やしてくださったと信じているからである。そして今行っているのは術後の治療で、再発転移予防の治療と信じているからである。

私は特に肝臓の血液検査結果が、抗がん剤で悪化するとなかなか元に戻らず、戻り切っていないときに、また抗がん剤の点滴治療を行うということを繰り返していれば、肝臓が悪化し、それが常態化すると慢性肝炎になってしまうという恐れである。

不思議なことに、抗がん剤治療を中止する出来事が続けざまにやって来た。1回目は治療当日が祝日であったので、1週間先に延びた。2回目は4回ほど前からしびれと右腕の痛みがきついので、また1週間延びた。3回目は右腕の痛みがヘルペスに起因しているとのことで取りやめになり、4回目は抗がん剤治療方針を見直すという結果になった。

私は、神様が最善の選択をとってくださったものと信じている。

「神がすべてのことを働かせて益としてくださる」(ローマ8:28)

私は最初病院を選ぶとき、A病院を与えてくださいと必死に祈った。教会の牧師も妻も皆そう祈った。しかし、結果的にはその最良と思える願いは聞き入れられず、B病院になってしまった。しかし、B病院が私の病に関して、最新的な治療をちょうど半年前から始めたばかりであり、私はその治療のおかげで今日あるのである。

「神のみこころにかなう願いをするなら、神はその願いを聞いてくださる」(Ⅰヨハネ5:14)

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米田武義

米田武義

(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術国内留学生)で学ぶ。国土防災技術を退職し、米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』。