2017年2月2日17時56分

温故知神—福音は東方世界へ(65)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本10 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神—福音は東方世界へ(65)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本10 川口一彦

<本文と拓本>31文字(265+31=296)

理家國於天猷説(家國を天猷に理[おさ]む)。三一浄風無言之新教(三一の浄風[注]は無言の新教を)、陶良用於正信(良用[信徒]を正信に陶す[薫陶、指導])。制八境之度(八境の度を制し)、錬塵成真(塵を練[ね]って真を成す)。

[注]浄風は聖霊、聖神(日本ハリストス正教会での使用語)のこと。景教文書では涼風、証身とも記す。

<現代訳>

家も国も御手に治めました。三一の浄風は、言葉はありませんが、新しい教えで信徒を正しい信仰に導き、世界を救い、塵を除き、錬って真としました。

<解説>

この箇所は三一の聖霊によって、信徒の群れがつくられていったことを刻みます。ここでは、聖霊が主体的に働いて人を新生させること、神にあるクリスチャンライフについて記しています。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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