2017年1月29日17時06分

なにゆえキリストの道なのか(76)人間が生物を造れたら、神による創造は否定されるか 正木弥

コラムニスト : 正木弥

人間が生物を造れたら、神による創造は否定されるか。

人間は神から思考力を与えられているので、さまざまなモノを造ってきました。新幹線、ジェット機、人工衛星、携帯電話、コンピューター、テレビ、CTスキャンなど、どれを取っても素晴らしいものばかりです。

このように造ることができた人間ですから、近い将来、生物をも造ることができないとはいえません。今は、数種のアミノ酸を造れた段階ですが、次にはその左旋体(させんたい)ばかりのものを造り、その次にはタンパク質や脂質、糖質をも造り、とうとう生細胞を造り出すかもしれません。その先では多様な細胞を造り、そして、それらを合体させて生物といえるものを造り出す可能性が(遠い将来なら)ゼロではないでしょう。

しかし、それができたからといって、神がかつてそれを創造したということを否定するものではありません。つまり、天地創造の時に既に人間がいて生物を造り出したわけではありません。神がそれらを造り出したのです。人間が仮に新しい生物を造り出したとしたら、それは神による創造の軌跡をなぞっているだけです。

人間は神に似せて造られているので、ある程度は神に似た知恵と創造する思考力が与えられているわけです。その知恵と思考力が神により与えられたのなら、生物を造って知恵と思考力を誇るのではなく、生物さえも造れるように人間を造ってくれた神をたたえるべきではないでしょうか。

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ