2017年1月17日12時29分

FINE ROAD―世界の教会堂を訪ねる旅(40)南アフリカ共和国の教会⑤ 西村晴道

コラムニスト : 西村晴道

クランウィリアムのオランダ改革派教会フラワーチャーチとルイボスティーを訪ねる旅
訪問日:2016年9月7日

FINE ROAD―世界の教会堂を訪ねる旅(40)南アフリカ共和国の教会⑤ 西村晴道
FINE ROAD―世界の教会堂を訪ねる旅(40)南アフリカ共和国の教会⑤ 西村晴道

クランウィリアム(Clanwilliam)はケープタウンから北へ230キロの所に位置する。毎年8~9月にフラワーショーが開かれることでも有名。1725年から移住が始まった古い町。

フラワーチャーチと呼ばれている、オランダ改革派教会 Old Dutch Reformed Church がメーンストリート沿いに白い美しい姿で建っている。残念ながらフラワーショーは終わったばかりで、後片付けの最中。会堂全体が美しいワイルドフラワーで飾られた情景を頭に浮かべながら、大量の土や大きな石を運び出している作業の邪魔にならないようにさっと見学。外に出ると、庭に古い墓石が立ち並んでいる。ガイドが墓碑銘を見て100年以上前のものだと言う。オランダ改革派教会の歴史を感じさせる。

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メーンストリート
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フラワーチャーチの看板
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フラワーチャーチ(オランダ改革派教会 Old Dutch Reformed Church)は、国の記念建築物に指定された。
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教会全体を利用した大がかりな展示
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大きな石、大量の土、樹木
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美しいフラワーショーを想像した。
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庭の墓石が歴史を物語る。
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オリファンツ川(Olifants River)がゆるやかに流れ、山々が連なる壮大な眺め。温暖な気候のこの地方はオレンジ類の主要産地であり、ワイン、ルイボスティーで有名。オレンジ畑、ぶどう畑、茶畑が広がる。

ルイボスティー

クランウィリアムには、この地域でしか自生しないルイボスティーの工場がある。ルイボスとはオランダ語で赤い低木という意味。ルイボスの学名はアスパラサス・リネアリス(Aspalathus Linearis)、先住民のサン族が昔から薬草として用いていた植物。葉は針状で日本のお茶の葉とは違う。ルイボスティーはカフェインフリー、抗酸化作用があることから健康茶として人気がある。

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ルイボスティー工場
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ルイボス Rooibos Limited 入り口
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ショップ内に、各国のルイボスティーが展示されている。これらは日本の製品。原料の茶葉はクランウィリアムから輸出される。抗酸化作用、カフェインなし、ミネラルを多く含み、美肌、冷え症、便秘、むくみ、ダイエットなどに効果があるとされ、色は紅茶のようだがカフェインレス、飲みやすく、話題の健康茶となっている。

ショップには、シトラス&ジンジャー、レモン、ブルーベリー入りなどルイボスティーの種類がたくさんあり、ケープタウンよりかなり安いのでガイドもここで買うと聞いたので、12箱入りのカートンを購入した。

ルイボスティーのお茶の葉や製造コストはそれほど高いものではないが、世界各地へ輸出すると輸送費や人件費、関税などがかかり高価になるようだ。

ウエストコースト国立公園

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ウエストコースト国立公園の看板
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一面黄色の花畑
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シマウマなど動物があちこちに見られる。
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毒蛇が道のわきに逃げていく。
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ランバーツ・ベイ
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海洋生物の宝庫、素晴らしい眺め

Geelbek レストラン

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自然の中で開放的な食事
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ハタオリドリの巣
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ハタオリドリ

「チーチー、チューチュー」とかしましい鳴き声の小鳥たちが忙しく巣作りをしている。大きい木の枝から丸い巣がいっぱいぶら下がっている。巣は下に穴が開いていて、木の枝を口にはさんだ親鳥は下からもぐって織りものを織るようにきれいにつくる。まさに「ハタオリドリ」という名前の通りだ。

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アフリカ伝統料理ボボティー。ひき肉煮にカリカリパンが差してある。
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デザート

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西村晴道

西村晴道

(にしむら・はるみち)

1948年、靜岡県生まれ。一級建築士。法政大学工学部建築学科卒。住友建設株式会社入社・退職し、米ソービック建築設計事務所短期留学を経て、84年に西村建築設計事務所開設。ルーテル学院大学第10回リード賞(キリスト教芸術分野)受賞。日本福音ルーテル教会員。著書に『FINE ROAD―世界のモダンな教会堂をたずねて』。