2016年12月12日05時18分

なにゆえキリストの道なのか(69)進化論が絶対的真理だと証明されても、信仰は揺らがないか 正木弥

コラムニスト : 正木弥

進化論が絶対的真理だと証明されても、信仰は揺らがないか。

聖書は、神が世界を創造し、人間を創造したことを告げてはいます。この点が神信仰の起点であり、究極でもあります。これを揺らぐことなく、確信しているならば、「いかにして創造したか」ということは、それほど死活的に重要なことではありません。

従って、聖書は「いかにして」という部分を詳しくは述べていません。そこで、その「いかにして」という部分を、「神が進化という方法を用いて、漸次(ゆっくりと)徐々に変化させて、天地万物をお造りになったのだ」と考えても、絶対に誤りだとは断定できないかもしれません〔これを“有神進化論”とか、“漸進創造論”とか呼びます〕。

そしてキリスト教徒でも、この有神進化論に立っている人々が大勢います。この論は、神の万能の知恵と力を前提にし、世界のそもそもの原因をやはり神に置いていますから、信仰がグラつくものではありません(世界が神なしに全くひとりでに〔自然に〕できた、というのは、無神論であって、それにはいささかも同調できませんが)。

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ