2016年11月16日11時05分

苦しみは私の宝物 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

人生を振り返ってみることがあります。思い出すのは、失敗や、つらく、悲しい経験ばかりです。そういうことの方がなつかしいです。反対に、成功し、思い通りにいったときのことは、あまり印象に残っていません。

みなさんはどうですか?

人生に行き詰まったとき、「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう」(マタイの福音書11章28節)と語られたイエス・キリストと出会うことができて、絶望のどん底から救われました。

その日から、試練を何度も経験してきましたが、苦しみの経験を通して、神に近づけられ、神と親しくなり、その苦しみや涙が喜びと笑いに変えられました。

苦しい経験は、私をへりくだらせ、一番大切なものが何かを教え、人の心の痛みを理解するきっかけになりました。

苦しみは、いつの間にか、輝く宝のような祝福に変わっていました。

「苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした。私はそれであなたのおきてを学びました」(詩篇119篇71節)と聖書は語ります。

「苦しみに会ったことが幸せだった」とは、うそでは言えません。しかし、詩篇の記者が語った言葉は、そのまま私の人生の中でも起こりました。

苦しいから苦しみです。

拒絶や否定されることは、もぐらたたきゲームのハンマーで頭を叩かれたような衝撃と痛みを感じます。

「逃げ出したい!」「回避したい!」「逃避したい!」という気持ちになりますが、逃げ出さないで、自分自身と向き合うと、そこにイエス様が共におられ、両手を広げて私を抱きとめてくださるように感じます。

苦しみの中に、神は共にいてくださいました。苦しみは宝に変わり、マイナスはプラスに、ピンチはチャンスに変わっていきました。

もちろん、うれしいこと、順調に物事が進むこと、成功すること、良いことが起こることは感謝です。しかし、物事が思ったように進まず、つらく悲しい出来事や、失敗、挫折、行き詰まりを経験するとき、そのただ中で神と出会うと、全てが良いことに変わり、マイナスと思っていたことが感謝に変わります。

私は、どんな時にも、どんな状況の中にあっても感謝できる人生を発見しました。

今日、苦しい状況の中にあり、行き詰まり、挫折して、「死にたい!」と思っている人はいないでしょうか。そこまで深刻でなくても、苦しくて、人生の登校拒否をしている人はいませんか。

あなたは1人ではありません。その苦しみの中で、あなたを待っていてくださる方がいます。イエス様です。

自分自身を責めたり、現実から逃避するのではなく、自分と向き合ってください。イエス様はあなたを助けるためにそっと待っていてくださいます。その出会いを通して、苦しみ、悲しみ、挫折、行き詰まりは、喜びと宝物に変わります。

人生は楽しいことばかりではありませんが、朝が来ない夜はないように、人生の苦しみは必ず宝に変わります。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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