2016年11月13日21時21分

なにゆえキリストの道なのか(65)天地創造の記事は“おとぎばなし”のように見える 正木弥

コラムニスト : 正木弥

天地創造の記事は“おとぎばなし”のように見える。本当のことなのか。創世記の記事は現代の科学の説明に反しないか。

人類の歴史のほとんどの時は、科学が未発達でした。ほとんどの人がいわゆる教育も受けておらず、字を学ぶことすら十分にはできませんでした。そのような人々の多くが理解できるように、簡明でやさしい表現で創造のありさまを伝えようとされたのです。

聖書は科学の教科書として書かれたのではありません。ちょうど、母親が幼子に話し掛けるとき、腰を屈めてやさしい言葉で話すように、神は無学な人のレベルにまで下って、どんな階層の人にも、どんな年齢の人にも分かるように、簡明なやさしい言葉で語ってくださいました。

しかし、内容はごまかさず、おごそかに述べています。おとぎばなしや作りばなしのように架空のことではありません。本当にあったこととして述べています。

天地創造の記事は、創造の要点のみを、わずか34節の文章で記述しています。創造の詳細については記述されていません。記述しようとしていないのです。つまり、要点のみ、輪郭のみです。その詳細は科学が究明するよう、残されているのです。

科学は多くのことを解明してきましたが、天地の始まりのことについては、今なお未解明の点や断定できない点を多く残しています。創世記の創造の記述が誤りだと証明するには至っていません。逆に、ビッグバン理論などは、神による天地創造論に近いものになっています。

これからも、科学は変わっていきます。他方で、創造についての聖書の解釈も変化してきており、科学の成果に対応・調和できるものになってきております。

*詳細は拙著『創造論と進化論~覚え書~古い地球説から』を参照!

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ