医療費の還付金を受け取れると偽って現金をだまし取る詐欺に関わったとして、自営業・平館猛容(ひらだて・たけし)疑者(44)=東京都渋谷区代々木=が18日、電子計算機使用詐欺などの容疑で逮捕された。偽造した身分証明書を使い、200余りの銀行口座を開設するなどしていたとみられているという。平館容疑者は調べに対し、「全く身に覚えがない」と話し、容疑を否認している。時事通信などが伝えた。
同通信やテレビ朝日によると、平館容疑者は2015年12月7日、仲間と共謀して、福井県勝山市の市職員になりすまし、同市在住の女性=当時(73)=に「指示に従えば還付金を得ることができます」などとうその電話をし、現金自動預払機(ATM)で2回にわたり計約100万円を振り込ませてだまし取った疑いが持たれている。
平館容疑者は、偽造した健康保険証などを使って、約200の銀行口座を不正に開設していた他、詐欺グループが使うマンスリーマンション(月決め賃貸マンション)や、携帯電話、SIMカードなどを契約していたという。勝山市の女性も架空名義の銀行口座に現金を振り込まされていた。平館容疑者は、だまし取った金を回収する「出し子」の指示役だったとみられているという。
日本経済新聞によると、平館容疑者は、15年1月〜6月に計27件のマンションを不正に契約し、このマンションの住所を悪用し、携帯電話は約80回線を不正に契約していたとみられている。平館容疑者が関与した詐欺による被害総額は、約1400万円に上るとみられているという。