2016年10月9日18時53分

なにゆえキリストの道なのか(61)世界は始まりがなく、永遠の昔から一定に存在していたのでは 正木弥

コラムニスト : 正木弥

世界(宇宙)は始まりがなく、永遠の昔から一定に存在していたのではないか。(定常宇宙論)

これも考え方の1つとしてはあり得ることで、神による創造のない科学説・世界観です。近代では、フレッド・ホイルらによって主張されました。

しかし、ハッブルの法則により、宇宙は膨張していることが確認され、「一定の、変化しない宇宙」との論はエネルギー保存の法則に反するのではないか、と反論されました。また、アーノ・ペンジアスやロバート・ウッドロウ・ウィルソンらによって3K度の宇宙背景放射が発見され、それが、火の玉から冷えてきたことの裏付けとなり、定常宇宙論はとどめを刺された形になっています。

ビッグバン理論により、その時から宇宙が始まり、物質も、空間も、エネルギーも始まったと考えるのが現時点での科学の見方です(いつか変わるかもしれませんが)。

ともあれ、聖書の神は、無から有を引き出す方であり、この引き出すこと〈第1次的創造〉から宇宙が始まって、以来ずっと活動していると見ています。

<<前回へ     次回へ>>

◇

正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ