2016年10月2日23時26分

自己最高に生きる 安食弘幸(53)

コラムニスト : 安食弘幸

「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前から彼らにあって選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました」(エペソ1:4)

1844年ロンドンの町で、ジョージ・ウィリアムズは服地屋の店員として働いていました。当時、産業革命で多くの若者は都市に集まり、劣悪な衛生環境の職場で1日平均10~12時間の単純労働をし、その後、夜はバーや売春宿で時間を過ごし、心身共に堕落していきました。

ウィリアムズ青年はそんな周囲の環境に流されないで、何とか聖く正しい生活をしたいと考えていました。そんな時、クリスチャンの友人を通して聖書を読み始め、クリスチャンになります。

クリスチャンとなったウィリアムズは、心身共に荒廃していく友人たちのことで心を痛め、12人のクリスチャンたちと共に祈り、学び、生活を改善していく活動を始めました。それがYMCA(キリスト教青年会)の始まりです。

その活動は成長し、今日、世界130カ国を越える国々で組織され、青少年の育成のために大きな貢献をしています。

「環境がどうであれ、聖く正しい生活をする」という1人の青年の決断が、世界に大きな影響を及ぼしたのです。

ケント・キース博士(ハワイ州政府の閣僚、弁護士、大学の学長)が若者たちを励ますために書いた「逆説の十戒」(the Paradoxical Commandments)を紹介しましょう。

1. 人は不合理でわからず屋で、わがままな存在である。
それでも人を愛しなさい。

2. 何か良いことをすると、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

3. 成功すれば、うその友人と本物の敵を得ることになる。
それでもなお、成功しなさい。

4. 今日の善行は、明日になれば忘れ去られてしまうだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

5. 正直で率直な在り方は、あなたを無防備にするだろう。
それでもなお、正直で率直でありなさい。

6. 大きな考えを持つと、小さな考えしか持たない人に引き降ろされるかもしれない。
それでもなお、大きな考えを持ちなさい。

7. 人は弱者を哀れむが、勝者にしか従っていかない。
それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8. 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築き上げなさい。

9. 助けを求める人に助けの手を伸べると、反発されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。

10. 世のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世のために最善を尽くしなさい。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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