2016年9月22日21時58分

死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(86)消化不良の悪弊 米田武義

コラムニスト : 米田武義

消化不良の悪弊

私は今、抗がん剤の副作用の1つで、肝臓に障害が出ている。食事療法でできるだけのことをしているが、ビタミンやミネラルも食事だけでは摂取不足となるから、サプリメントで摂(と)った方が良いという情報を得て、サプリメントとしてビタミン・ミネラルを摂り始めた。

しかし3日目になって、原因不明のひどい湿疹が体中にでき、赤く腫れ、非常に痒い。どうもサプリメントを飲み始めたことと関係があるようなので、しばらくやめて様子を見ようと思っている。

いくらビタミンやミネラルが良いからといって、過剰に摂取していればその分残留したりして、体に悪い働きをするかもしれない。抗がん剤にしても、残留している物質が半年近くもたってから副作用を起こして、指先などにしびれが現れている。

今医者にもらっている錠剤は、1日当たり12錠であるが、今や次第にサプリメントが増え、1日当たり29錠にもなっている。自分勝手に体に効くからと、徐々に増やした結果である。

こういうことは食事についても言える。栄養栄養と、栄養中心に食べていたら、ついあれもこれもと食べ過ぎるようになる。摂り過ぎは消化不良となり、良い働きをしない。

聖書と関連づけるのは無理があるかもしれないが、聖書を読むときでも、自分の信仰に応じての読み方でよいと思う。いたずらに知識を増やすことばかりしたり、背伸びした研究をしたりしても、消化不良を起こすだけである。それらの消化不良の残留は、良い働きをしないに違いない。

神様も私たちが背伸びしているのではなく、等身大であり、あるがままの正直にさらけ出した私たちとの交わりを望んでおられるに違いないと思う。虚栄心の満ちた私たちとの交わりは、望んでおられない。

「…それによって成長し、救いを得るためです」(Ⅰペテロの手紙2:2)

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米田武義

米田武義

(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術国内留学生)で学ぶ。国土防災技術を退職し、米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』。