
指定暴力団「神戸山口組」系暴力団の斉木竜生(たつお)幹部=当時(64)=が7月、名古屋市内のマンションで射殺された事件で、愛知県警は7日、指定暴力団「山口組」傘下の弘道会系組幹部、片倉竜理(たつまさ、47)=名古屋市中川区、山口組系元組員、三井樹(たつき、44)=大阪市西成区、斉木幹部の知人で無職の横山正美(65)=住所不定=の各容疑者を、殺人と銃刀法違反(加重所持)容疑で逮捕した。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、3人は7月15日午後4時35分ごろ、名古屋市中区新栄2丁目にあるマンション4階の一室で、斉木幹部を射殺した疑いが持たれている。片倉、三井の両容疑者は黙秘しており、横山容疑者は「自分は殺していない」と話し、容疑を否認している。
事件では、逃走に使われたとみられる盗難車が現場から約2キロ離れた駐車場で全焼しているのが見つかっており、3人は8月、盗難車を運転したなどとして盗品等運搬容疑で逮捕されていた。
中日新聞によると、斉木幹部は至近距離から頭など数カ所を撃たれており、一部は貫通していた。現場の部屋からは薬きょうが見つかっており、自動式拳銃が使われたとみられるという。同紙の別の記事によると、事件現場の近くでは事件前後、3人が現場に向かう姿や逃走する様子が確認されているという。
また、逃走に使われたとみられる盗難車が全焼しているのが見つかった駐車場の近くでは、事件発生の時間帯に、2人組の男が飲食店を訪れており、立ち去った後、近くで防弾チョッキ2着が見つかっているという。
事件では、現場に居合わせた斉木幹部の知人で無職の鶴見信隆被告(68)=名古屋市中区=が119番通報。鶴見被告は、覚せい剤取締法違反(使用)の罪で6日、名古屋地裁から懲役3年を言い渡されている。判決によると、鶴見被告は事件前日の7月14日ごろ、事件現場のマンションの一室で覚せい剤を使用した疑いが持たれている。
毎日新聞によると、斉木幹部は覚せい剤の密売に関わっていたとみられており、遺体からは薬物反応があった。
産経新聞によると、斉木幹部の知人である横山容疑者は、片倉、三井の両容疑者を現場まで手引きしたとみられている。