2016年9月5日11時33分

特別な存在である主キリスト 万代栄嗣

コラムニスト : 万代栄嗣

「…見ると、その回りに大ぜいの人の群れがおり、また、律法学者たちが弟子たちと論じ合っていた。…『…お弟子たちに、霊を追い出すよう願ったのですが、できませんでした。』…父親は言った。『…もし、おできになるものなら、私たちをあわれんで、お助けください。』するとイエスは言われた。『できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなことでもできるのです。』…汚れた霊をしかって言われた。…するとその霊は、叫び声をあげ、その子を激しくひきつけさせて、出て行った。…」(マルコの福音書9章14~29節)

今日開いた箇所で、イエスは悪霊の働きに苦しめられている息子を癒やすのですが、この箇所で私たちが癒やされ、霊的解放を頂くための大切な3つの秘訣が記されています。

1. 人には不可能がある

この世の中には、多くの人々の意見があり、1つのことに対していろいろな解決方法があります。しかし、人を信頼するだけでは、問題は解決できないことを認めましょう。

この物語で霊的な苦しみを抱えている息子を持つ父親は、イエスのうわさを聞いてイエスのもとに来ました。しかし想像してみてください。今ならば新聞やニュースで正確な情報を容易に得られますが、2千年前の当時、人から人へと口伝えでしかニュースが伝わらなかった時代ですから、イエスのうわさも本当にわずかなもので、いったいどんな人物か、どのように癒やされるのか分からないまま、彼はイエスのもとを訪れたのです。

そこでは、弟子や律法学者たちが、病気の息子のことを聞いてそれぞれがああだ、こうだと意見を述べ始めます。弟子もイエスの真似事のように祈ったけれども、息子の病気は治らなかったのです。

私たちは生活の中でいろいろな情報を当てにしますが、世の中のさまざまな知識や解決方法、人の力では、どうしても解決できない問題が確かに存在するのです。人には不可能があるのです。

2. イエスを世の方法と並列しない

イエスは、弟子や律法学者が議論しているのを見てあきれ、息子を連れて来させます。この父親は、医者だけではなく魔術的なものや、霊験あらたかな場所に行き、何が入っているのか分からない薬も試し、いろいろなことをしたでしょう。そして父親は、イエスもその治療法の1つと考え、「もし、おできになるものなら」と言ったのです。

今までと同じく、できなければまた次に行くだけだったでしょう。もしここで、イエスに言われたとおりに、イエスを信じることができなければ、息子は一生癒やされなかったのです。イエスを世の解決方法と同等に並べて考えてはなりません。イエスが単にこの世の選択肢と同じものだったなら、今まで同様、不可能で終わったのです。

3. イエスは本物の救い主(ぬし)、癒やし主

私たちが今日お祈りする神は、真の救い主であり癒やし主です。特別な方にお祈りするのです。20節に「その子がイエスを見ると・・・ころげ回った」と記されていますが、これは悪霊がイエスを見てパニックになったからです。

つまりイエスがおられるところには、霊的な空間があり、そこに触れる者たちは皆、霊的な力を体験するのです。イエスの存在は圧倒的なもので、不可能を可能にする力があるのです。解決はイエスにあり、イエスだけが本物の救い主、癒やし主だということを忘れてはなりません。

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万代栄嗣

万代栄嗣

(まんだい・えいじ)

松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。

また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。

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