2016年7月28日20時42分

わが人生と味の道(36)随想録:人生3 荘明義

コラムニスト : 荘明義

[人生]
悩みは人生の宝

あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。(Ⅰコリント10:13)

すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。(マタイ11:28)

絶望は人生にとってよいことなのです。なぜなら、神に出会えるチャンスだからです。悩みに感謝しましょう! 悩み大歓迎! あなたが悩みについて理解できるまで、どうぞ祈って悩みを取り上げないように神にお願いをしてください。

悩みほど人生にとってありがたい神の恵みはありません。神は愛するが故に、あなたを整えるために悩みをわざわざ下さったのです。それはあなたを苦しめるためではなく、神の御業を現すためです。あなたのためなのです。

アブラハムにイサクをささげなさいと神が言われたとき、アブラハムは悩んだでしょうか? 喜びに満たされたでしょうか? 苦しみ抜いたでしょうか? 少なくとも人間的に考えますと、まさか神がこのようなことを言われるとは信じ難いと思ったのではないでしょうか。

でも、その時のアブラハムは神の人、神の御心の分かる人になっていたのです。ですから、妻のサラにも相談せず、神の御心に従ったのでした。ここに悩みの正体が隠されているのです。人は悩む――何のため? 誰のため? 自分のため? 神のため?――それによって、世界が全然違って見えるのです。悩みとは、神がわざわざ下さる宝物なのです。

カナの結婚式の話を考えてみましょう。結婚式でお酒がなくなりました。誰が一番悩んだでしょうか? そして、その人はどうしたでしょうか? そうです。悩みを打ち明け、そして水を汲むという解決法を示されたのです。

酒屋に行ってお酒を買うのでもなく、友人の家に行って借りるのでもなく、川に行って水を汲んだのです。水がお酒になるまでには、人間の方法で作ると最低でも夏で1週間かかります。それでは結婚式が終わってしまいます。しかし、神は水を汲むことを指示しました。そして奇跡が起こりました。

あなたはそれを信じて水を汲みますか? それとも悩んで自分の方法を探しますか? あなたの必要は、神の教えに従って、信じて水を汲み、瓶がいっぱいになったとき(神の時)、必要なお酒が、しかも最高のお酒が準備されるのです。

神を信じ、聖書の言葉を信じるなら、水を汲んでください。悩む暇があったら。そうしているうちに、あなたは神に整えられているのです。

自我の強い自分を、神が造られた優しい自分に変えるチャンスです。それが悩みの正体なのです。悩みに感謝してください。傲慢(ごうまん)な自分から、神の愛を伝えられる素敵な自分に変えられるチャンスと出会うのです。

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荘明義

荘明義

(そう・あきよし)

1944年中国・貴州省生まれ。4歳のときに来日、14歳で中華料理の世界に入り、四川料理の大家である故・陳建民氏に師事、その3番弟子。田村町四川飯店で修行、16歳で六本木四川飯店副料理長、17歳で横浜・重慶飯店の料理長となる。33歳で大龍門の総料理長となり、中華冷凍食品の開発に従事、35歳の時に(有)荘味道開発研究所設立、39歳で中華冷凍食品メーカー(株)大龍専務取締役、その後68歳で商品開発と味作りのコンサルタント、他に料理学校の講師、テレビや雑誌などのメディアに登場して中華料理の普及に努めてきた。神奈川・横浜華僑基督教会長老。著書に『わが人生と味の道』(イーグレープ)。

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