2016年7月27日17時30分

そうじ力(9)使う頻度の低い物をシェアする 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

以前、教会ではバザーを定期的に行っていました。中心的にバザーを仕切ってくれていた教会員がいたので、安心して任せていました。

その教会員の職場が変わって遠い場所に引っ越しをされたので、教会に通えなくなり、それ以来バザーはできていませんが、今思うと懐かしいです。たくさんの地域の人が教会に足を運んでくれました。中には、バザーがきっかけで教会に通い続けるようになった人もいます。

バザーが良かったのは、使う頻度の低い物を安価で売ってシェアすることができたからです。こちらも気持ちがいいですし、安く買って喜んで帰って行かれる方の顔を見て、2度うれしくなりました。今でも、使う頻度の低い物は、必要そうな人にシェアするようにしています。

教会には、いろいろな食べ物を持って来てくれる人がいます。それを家族だけで食べるのもいいですが、日曜日の礼拝後に教会員と一緒に食べると、何倍もおいしいものです。

分かち合うと、不思議ですが、また別のところから分かち合っていただけます。

「与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである」(ルカ6:38)

必要なものであったとしても、今それを必要な人がいるとしたら、それを惜しみなく分かち合いたいものです。

休日のある日、自動車ディーラーのお店に、タイヤがパンクして困っているお客さんが来ました。タイヤを交換する必要がありましたが、あいにく、そのタイヤの在庫が切れていました。

「お客さん、今日は休日ですし、あいにく在庫が切れているため、ご要望にお応えできず申し訳ありません」と言ったでしょうか。

そうではありませんでした。メカニックは、とっさに、ショールームに展示してある展示車のタイヤを外して、タイヤの交換をしてあげました。

これから遠出をする予定だったので、その機転を利かせた対応に驚き、感謝し、いっぺんにそのお店のお得意さんになってしまったそうです。

休日なので、車を見に来たお客さんが聞きました。「この展示車のタイヤがなんで1本ないんですか?」「先ほど、パンクしてお困りのお客さんが来られたので、この車のタイヤを外して、タイヤを交換したのです。申し訳ございません」とお詫びをしました。

このお客さんも驚き、感動して、「このお店で車を買おう!」と決意し、後日このディーラーで車を買ったそうです。

分かち合うことは喜びであり、分かち合った相手からも喜ばれ、さらに、それを知った人からも喜ばれるということもあるのです。分かち合うことで、不用品を減らすことができ、整理・整頓を劇的に減らすことができて、一石何鳥です。

使う頻度の低い物を分かち合い、時には、必需品であっても、目の前にそれを必要とする人がいるならば、分かち合う心を持っていきたいものです。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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