
奈良県警は11日、同僚の財布から現金3万円を盗んだり、部下にパワハラ行為をしたとして、男性巡査部長(36)を窃盗容疑で書類送検するとともに、停職3カ月の懲戒処分にした。巡査部長は同日付で依頼退職した。読売新聞などが伝えた。
同紙によると、巡査部長は1月下旬〜4月下旬、奈良県警奈良署内で、同僚4人の財布から計3万円を盗んだ疑いが持たれている。また、昨年2月〜今年5月、勤務先の交番で部下の巡査2人に対して、「何してんねん、クズ」と暴言を吐いたり、足を蹴ったりするパワハラ行為を行っていたという。
産経新聞によると、巡査部長は、署員が着替える際に荷物を保管する部屋を巡回していた際に、同僚のかばんの中を物色し、現金を盗んだという。5月に被害を受けた男性巡査の1人が相談して発覚した。巡査部長はギャンブルのために借金があり、「金に困って盗んだ」と話しているという。
一方、パワハラ行為を受けたのは20代と30代の男性巡査で、20代の巡査は書類の不備を理由に暴言を浴びせられ、30代の巡査は足を蹴られた。
産経新聞によると、奈良県警は巡査部長を逮捕しなかった理由として、「被害者が刑事処分を望まなかったため」と説明しているという。時事通信によると、奈良県警の太田哲示首席監察官は、「不祥事が相次いでいることを重く受け止め、職員への倫理教育を徹底する」と話している。
奈良県警は5月、同県大和郡山市内のスーパーで食品を万引きしたとして、奈良県警本部地域課に所属する30代の男性巡査部長を減給の懲戒処分にし、窃盗容疑で書類送検している。
また3月には、定年退職を控えていた奈良県警生駒署の60代の前署長が、奈良市内のスーパーで買物客の男性がカートの上に置き忘れた財布を置き引きしたとして、減給の懲戒処分にするなどしている。