2016年6月12日05時35分

ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん

執筆者 : 菅原早樹

ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
「ゴスペル落語会in東京」を行った露のききょうさん

大阪クリスチャンセンターでは、今年で3回目を迎える「ゴスペル落語会」。4日、ついに、東京でも実現することができました。

「ゴスペル落語」とは、聖書から題材をとったり、クリスチャンやキリスト教を題材にしたりして「ゴスペル=福音」を伝える落語のことで、他に「福音落語」「バイブル落語」などの呼び方があります。

上方落語の大御所といわれた父、故・二代目露の五郎兵衛がクリスチャンになったことをきっかけに開拓したジャンルといえるでしょう。

実は、最初のゴスペル落語「教会根問(きょうかいねどい)」は、私、露の五郎兵衛の次女(露のききょうとは双子)の菅原早樹の作でした。

父の召天後、姉、露のききょうは日本で唯一のプロの福音落語家として、福音落語のネタを増やしてきました。そして、大阪クリスチャンセンターとの協力により、落語好きの牧師、信徒が集まって大阪クリスチャンセンターで落語会を開催するようになりました。

ゴスペル落語会は大阪で定着するとともに、多くのファンから「ぜひ東京でも」という声が上がりました。

姉、ききょうは単独で東京の教会に招かれてゴスペル落語を披露することもありましたが、落語会となると、複数の出演者が必要で、「やってください」と言われたからといって「はいそうですか」とできるものではありません。しかし、東京開催の希望が多数寄せられるようになり、姉は、一念発起して出演者や会場を探して声を掛け、ついに「ゴスペル落語会in東京」が実現したのです。

関西でも常連の福音亭ぱすたさん(福音自由教会牧師、本名・渕野弘司)は、関東出身なのでと、率先して名乗りを上げてくださいました。講談師・神田陽子さんの社会人弟子として正式に芸名をもらっている神田ナザレさん(日本基督教団代々木中部教会牧師、本名・北川正弥)は落語ではなく聖書講談で参加。以前から露のききょうさんと交流のあった腹話術師の小羊家慶子さん(町田ぶどうの木チャペル牧師夫人、本名・松浦慶子)、また知人の紹介で、わかさぎ亭福助さん(同盟基督・土浦めぐみ教会長老、本名・小澤寛)も出演を快諾してくださいました。

ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
福音亭ぱすたさん(福音自由教会牧師、本名・渕野弘司)
ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
神田ナザレさん(日本基督教団代々木中部教会牧師、本名・北川正弥)
ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
腹話術師の小羊家慶子さん(町田ぶどうの木チャペル牧師夫人、本名・松浦慶子)
ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
わかさぎ亭福助さん(同盟基督・土浦めぐみ教会長老、本名・小澤寛)

私は、「父・露の五郎兵衛を救いに導き福音落語の道を開いたともいえる」と自薦し、オープニングアクトを飾らせていただきました。

ついに、東京でも実現 「ゴスペル落語会in東京」 露の五郎兵衛の次女・菅原早樹さん
「おしゃべり賛美家」として教会や特別集会でコンサート、証しの活動を行っている菅原早樹さん。この日は、オープニングアクトを飾った。

会場は、板橋区の日本バプテスト連盟・常盤台バプテスト教会をお借りしての開催でした。プログラムは以下の通り。

菅原早樹 賛美「主の恵み語るはたのし」「主イエスの愛と恵みによって」
わかさぎ亭福助 福音落語「あしあと」
小羊家慶子 腹話術「アメイジンググレイス」
福音亭ぱすた 落語「里帰り」(5代目春風亭柳昇 作)
仲入り(休憩)
神田ナザレ 聖書講談「超人サムソンの恋」
露のききょう 準古典落語「宗論(福音バージョン)」

当日は、開場前から、教会の外に長い行列ができていました。

実は、私たち姉妹は、一体どれだけのお客様が来てくださるのか、全く分からず、心配していました。予約してくださった方もありましたが、チケット制ではなかったため、当日予約なしに来てくださる方もおられ、全く数が予測できない状況でしたから、赤字覚悟の開催でした。

その不安を吹き飛ばすようにたくさんのお客様が来てくださいました。高齢者の方が多いことは予想していましたが、若い方も多く、子どもさんに至るまで「面白かった!」と言ってくださったのがとてもうれしかったです。

出囃子、障子風のついたて、緋毛氈の高座が雰囲気を盛り上げ、何より出演者の熱演が、教会の講壇を見事に寄席に変えて、観客を笑いで包んでいました。

スタッフもボランティアでファンの方や友人たちが協力、また、お客さんの中には茨城県からマイクロバスで駆け付けてくださったグループもありました。

姉・露のききょうは、「これをきっかけに、東京でもゴスペル落語が盛んになるように、また、この日本文化に根差した伝道方法が実を結ぶようにと願っています」と語っていました。

(文・菅原早樹)