2016年6月11日09時59分

神様からのメッセージ(37)聖書を読んで人生が変わった人たち―ラム一家 浜島敏

コラムニスト : 浜島敏

ラム一家(フィジー)

フィジーで大きな自動車修理工場を経営していたラムの話です。仕事の調子が良いときは、みんなから敬われていました。ところが突然、仕事が下向きになりました。とたんに、銀行からも家族からも非難されるようになりました。

会社の会長に、仕事を回してくれるようにお願いしました。会長が仕事を回してくれるようにはなったのですが、仕事はいっこうに上向きになりません。

長男が10歳でしたが、ゴルフの試合に出ることになりました。家族みんなでその試合を見に行きましたが、ラムは帰り道で家族を殺し、自分も自殺するつもりでいました。

ところが、長男がそのゴルフで優勝したのです。みんな大喜びで「お祝いのために1晩ここに泊まろう」と言いました。ラムは、仕事がうまくいっているときには、そのくらいの金は問題なかったけど、今では宿泊代を払う金もないのだと告白しました。

すると長男が「お父さん、お父さんからもらった小遣いがまだあるよ」と言いますし、奥さんも「私も家計のために貯めていたお金が少しあるから」と言いました。そこで、なんとか1晩ホテルに泊まることにしました。

夜、ラムは、悪い夢を見て目が覚めました。そして、ホテルの聖書に気が付いて、生まれて初めて聖書を手に取り読み始めました。家族を殺し、自殺するという計画をしていたのですが、「盗人が来るのは、ただ盗んだり、殺したり、滅ぼしたりするだけのためです。わたしが来たのは、羊がいのちを得、またそれを豊かに持つためです」(ヨハネ10:10)と書かれている言葉に突き当たりました。

次の朝起きると、子どもたちが、お祈りをしようというのです。その日、ラムはイエス・キリストを救い主として受け入れました。

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浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

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