2016年5月1日00時42分

死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―(65)聖霊様のイメージを具体的に 米田武義

コラムニスト : 米田武義

聖霊様のイメージを具体的に

モーセは物心ついたときに、自分の出生の秘密を知った。その時に、彼はユダヤ救済の思いに強く引かれた。この思いは強く、瞬時のうちに湧き上がり、浸透し、彼の頭の中の全てを体の中の隅々まで覆い尽くしてしまった。そしてその思いは、生涯彼から消え去ることはなかった。

彼の思いとは何であったか。もちろん、言葉によって彼に伝えられたのであり、言葉がなくては思いを持つこともできない。動物が持つような感情的な近視眼的な本能に近い思いしか持つことはできない。言葉による思いは、もちろん聖霊とは異なるけれども、聖霊様をイメージするときに一助となる。

私たちも、自分の学歴とか、由緒ある家柄とかに全身全霊をカバーされている人を見ることがあるが、まさに言葉は生きていて、私たちの内に住むことができる。

「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」(ヨハネ1:14)

イエス・キリストは霊ではあるが、見える形となられて私たちの間に住まわれた。そして生前に、イエスと同じような助け主を、私たちに与えると言われた。イエスのように人間の形をとり、私たちの間に住まわれると言われた。

どこにそういう人が、霊が人の形をとって、イエスと同じようにいられるのであろうか。それは、私たち自身の体である。イエス・キリストは、お一人であったが天に昇られて後に、人となって私たちの間に住まわれているというのは、私たち自身である。

イエスと同じように、聖霊様が個々人の中に住まわれているのである。私たちの体を神の宮として、聖霊様が住まわれているのは、表面上はイエス・キリストが霊であり、人であるのと似ている。この考え方も、聖霊様をイメージするときの一助となると思う。

「父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります」(ヨハネ14:16)

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米田武義

米田武義

(よねだ・たけよし)

1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術国内留学生)で学ぶ。国土防災技術を退職し、米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』。