2016年4月4日13時44分

神様からのメッセージ―聖書は偉大なラブレター(32)聖書を読んで人生が変わった人たち―ウェール・バンクス 浜島敏

コラムニスト : 浜島敏

聖書を読んで人生が変わった人たち

聖書というのは特別の本ですので、世界中の人たちが読まなければならない聖書には、人の心を変える力があります。もちろん、それは神様がなさることですが、時には牧師も宣教師もいない場所で聖書そのものが読まれることで、心が変えられ神様を信じるようになった人もたくさんいます。

自殺しようと思っていた人が最後のホテルで聖書を見つけ、そこで神様に出会ったとか、犯罪を犯した人が、牢屋の中で聖書を読んで神様を信じたとか、病気で入院していた人が、病院で聖書を読んで神様に出会ったとか、たまたま拾った聖書を読んで、その内容を詳しく知りたくなって教会に行ったことで信じた人などの話が今でもたくさん伝えられています。聖霊なる神様が直接教えてくださったのです。そういった人たちは世界中にいます。また、全てのクリスチャンが何らかの形でこのことを経験しています。

ウェール・バンクス(アフリカのナイジェリア)

ナイジェリアのバンクスは、イスラム教の家で育ちました。生きる目的が見つからないので、「目的が見つかるまでは何でも勝手なことをしよう」と思って、お酒や麻薬に手を出したり、あらゆる悪いことをしてみましたが、もちろん、目的は見つかりませんでした。

ある日のこと、クリスチャンであった職場の同僚がイエス様の話をしにきました。バンクスはいらいらして、どなり、「クリスチャンなど殺してやる」と叫びました。その晩、むしゃくしゃしたバンクスはたくさんのお酒を飲んで寝てしまいました。目が覚めてみると、服は自分が吐いた物で汚れているし、気分が悪かったのですが、突然、「これがお前の生きる目的なのか。同僚の話を聞きなさい」という声がしたように思いました。

そこで、そのクリスチャンの同僚のところに行ってイエス様の話を聞かせてもらいました。そして、その場でひざまずき、イエス様を信じたのです。それで、きっぱりお酒や麻薬など悪いことをやめてしまいました。家族は、バンクスが変わったことに気付きました。また、イスラム教徒として、毎日お祈りに使っていたマットがなくなっているのに気付きました。それで、バンクスがクリスチャンになったことを知り、キリスト教を捨てるように必死で言いましたが、バンクスは、聖書を読んで、イエス様からたくさんの勇気をいただきましたので、へこたれませんでした。

バンクスの決心が変わらないことを知って、家族はイスラムの反逆者だと言って、彼を家から追い出してしまいました。今は、バンクスは、ナイジェリアの人たちに一番必要なのは聖書なのだと考え、ナイジェリアなどで聖書をできるだけたくさんの人たちに読んでもらおうと、聖書を配る仕事をしています。

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浜島敏

浜島敏

(はまじま・びん)

1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。

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