
東京都中野区のマンションで昨年8月、劇団員の加賀谷理沙さん=当時(25)=が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕されていた戸倉高広容疑者(37)=福島県矢吹町=が、これまで容疑を否認していたのを一転させ、「私が殺したことに間違いありません」と容疑を認める供述を始めた。国内の複数のメディアが伝えた。
戸倉容疑者は12日に逮捕された際は、加賀谷さんのことは「全く知らない」など話し、容疑を否認していた。朝日新聞によると、13日には加賀谷さんの自宅を訪れ、読売新聞によると、加賀谷さんの体や爪から検出されたDNA型が戸倉容疑者のものと一致したことなどを示されると、13日夜から容疑を認め、「責任を取ります」などと供述し始めたという。
事件をめぐっては、警察が加賀谷さんの交友関係を調べていたほか、近くに住んでいた男性約1000人のDNA型を調べるなどして、捜査を進めていた。
戸倉容疑者は事件当時、加賀谷さんが住むマンションから約300メートル離れたマンションに住んでいたが、事件後、実家のある福島県に転居していた。警察が今年2月中旬、任意でDNAの提供を受け、鑑定した結果、加賀谷さんの遺体に残されていたDNA型と一致したという。
一方、日本経済新聞によると、戸倉容疑者は事件前、東京都新宿区の不動産仲介会社に勤めていたが、この勤務先は加賀谷さんのアルバイト先の居酒屋から約300メートルしか離れていなかった。加賀谷さんの携帯電話に戸倉容疑者の電話番号などは登録されておらず、警察は2人は知人関係ではなく、戸倉容疑者が一方的に加賀谷さんを狙った可能性が高いとみているという。
朝日新聞によると、戸倉容疑者は、昨年8月25日午前0時半ごろ〜翌26日午後10時ごろ、マンションの自宅にいた加賀谷さんの首を圧迫して、窒息死させた疑いが持たれている。加賀谷さんは25日午前0時半ごろ、自宅近くのコンビニで買い物をしていた様子が防犯カメラの映像に映っており、その数時間前には、黒い帽子をかぶり、上下黒の服装をした戸倉容疑者の姿が同じ店の防犯カメラに映っていたという。
MBSによると、戸倉容疑者は、言葉は少ないが淡々と取り調べに応じているという。