2008年2月12日16時04分

ささきみつおの「ドント・ウォリー!」(42)・・・もっと自信を持とう

佐々木満男弁護士

 『どんなことにもくよくよするな!』(イーグレープ出版)の著者、佐々木満男弁護士のコラムを連載します。ラジオ大阪で現在放送中の人気番組「ささきみつおのドント・ウォリー!」(放送時間:毎週土曜日朝11:45〜、インターネットhttp://vip-hour.jpで24時間無料配信中)でこれまでに放送された内容を振り返ります。「ミスター・ドント・ウォリー」こと佐々木弁護士が、ユニークな視点から人生のさまざまな問題解決のヒントを語ります。(Amazon:どんなことにもくよくよするな!)




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 「仕事がなくて困っています。なにか仕事があったら紹介してください」。



 知り合いからこう頼まれました。その人は、長い間定職がなく、パートやアルバイトでつないできましたが、家賃も満足に払えず、借金がふくらんでいました。でも、私が一生懸命によさそうな仕事を探してもっていくと、その人はみんな断ってしまうのです。



 「いや、そんな仕事は私には向いていません」



 「この仕事には経験がないので無理です」



 「仕事がハードすぎて体力がついていけません」



 「そんな高いポジションの仕事は責任が重すぎてやっていけません」



 その人は、いろいろな理由をつけて断るので、仕方なくほかの人に紹介すると、喜んで受けてくれて、今ではそれぞれちゃんと仕事をしています。要するに、彼には自信がないのですね。自信がないといつまでたっても問題を解決できません。自信は問題を解決する最大の力の一つです。



 「できると信じればできる。できないと信じればできない。どちらも真実である」



 フォード自動車会社の創立者、ヘンリー・フォードの有名なことばです。



 「できると信じれば山をも動かすことができる」と聖書に書かれています。神によって造られた人間には、とてつもない能力が与えられているということですね。大きな発明や発見や発展は、普通の人はできるはずがないと思っても「自分にはできる」と信じた人によって成し遂げられてきました。「できると信じる」ことができるためには、どうしたらいいのでしょうか。私は三つの方法があると思います。



 第一に、「私にはどんなことでもできるのだ」と、いつも自分の心に言い聞かせることです。



 第二に、「私はできると思います」と、いつも人々に語ることです。



 第三に、自分の目の前の小さな課題に取り組んで一つ一つ解決することによって、成功体験を積み上げ自信を強めていくことです。



 第一に、「私にはどんなこともできるのだ」と、いつも自分に言い聞かせましょう。その証拠に、自分は、今まで、何とか生きてきた。いろいろな問題や困難があったけれど、何とか乗り越えてきたんだ。人との比較ではありません。あなたは、あなたしか生きられない、独自の人生を生きてきたのです。それは本当にすばらしいことなのです。



 自分の過去を振り返ってみて、「あんなこともできた。こんなこともできた。あんな困難を乗り越えることができた。こんな苦しみにも耐え抜くことができた」と、自分に言い聞かせましょう。もちろん、数々の失敗や挫折もあったことでしょう。心に傷を受けたり、病気になって苦しんだこともあるでしょう。それにもかかわらず、今、あなたが生きているということは、本当にすばらしいことではないでしょうか。そんな自分をほめてあげることですね。そうすると、自然に自信がわいてきますよ。



 「本当は、私はどんなことでもできるんだ」「あの失敗は、やり方が間違っていただけだ」「この挫折は、タイミングが悪かっただけだ」「あの心の痛みは、自信がなかっただけだ」「本当は私はどんなことでもできるんだ」と繰り返し、繰り返し、自分に言い聞かせることです。



 第二に、「私はできると思います」と人々に語ることですね。「私はできません」「私には無理です」というような否定的な言い方をしてはいけませんよ。あなたの語る「ことば」には、「言ったとおりになる」ように実現していく力があるのです。「ことばの力」は大きなものです。聖書には、神が「光よあれ!」と言ったら光ができたと書かれています。「その口から発することばによって、神は宇宙万物を創造した」と書かれています。神によって造られた人間にもその語ることばによって物事を創造し動かしていく力があるのです。



 ですから、「私はできます」といつも語っていると、本当にできることを体験するのですね。もちろん、何でもトントン拍子にうまくいったり、アラジンの魔法のランプのように、一瞬にして目の前に完成した物事が現れるわけではありません。適格なタイミングや正しい方法に従って努力していくと、物事の成功を勝ち取っていくことができるのです。



 「私にはできます。でも、今はその時ではないと思います」



 「私にはできます。でも、この方法は間違っています」



 「私にはできます。でも、それは私ではなく、誰かもっとふさわしい人がやるべきことです」



 このように、常に自分を肯定して、「私はできません。そんな能力はありませんから」、「私はできません。かってやってみましたが失敗しましたから」と言って、自分を決して否定しないことです。



 第三に、小さな成功体験を積み上げていくことです。どんなに自信があり、それを人々に語っても、現実に成功しなければ、高慢なホラ吹きに過ぎません。時には、詐欺師として警察に告訴されてしまうかも知れません。「私はできます」と信じて人に語ったからには、現実にそれを成し遂げる責任が生じるのです。その責任感があなたをかり立てて、あなたが言ったことを実現させる原動力になるのです。



 もっと自信をもって明るく生きていきましょう。




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 佐々木満男(ささき・みつお):国際弁護士。宇宙開発、M&A、特許紛争、独禁法事件などなどさまざまな国際的ビジネスにかかわる法律問題に取り組む。また、顧問会社・顧問団体の役員を兼任する。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。