2015年9月23日19時16分

教皇、25日にニューヨークで特別ミサ 日雇い労働者らが椅子制作

記者 : 木下優紀

教皇フランシスコ
バチカンのサン・ピエトロ広場で人々に囲まれる教皇フランシスコ=2013年5月12日(写真:Edgar Jimenez)

米国を司牧訪問中のローマ教皇フランシスコは25日夜、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで2万人が参加する特別ミサを導く予定だ。このミサで教皇が腰を掛ける椅子は、日雇い労働者のグループが制作した。ニューヨーク大司教のティモシー・ドラン枢機卿が今月初め、この白い背もたれのある茶色の木製の椅子を公開している(写真)。

このシンプルな椅子は、ドン・ボスコ・ワーカーズとオブレロス・ユニドス・デ・ヨンカーズに属する日雇い労働者の手によって作られ、フロリダ州に拠点を置く米国のサレジオ会のブラザー、サルバトール・サンマルコ氏が制作を指揮したという。

ドラン枢機卿による発表に先立って、ニューヨーク大司教区はプレスリリースで、「教皇フランシスコの、労働者、移民、社会のはざまにある人々への同情に沿うために、ドラン枢機卿はドン・ボスコ・ワーカーズとリンカーン・ホール・ボーイズ・へブンに、教皇が使う道具の制作を依頼しました」と発表していた。リンカーン・ホール・ボーイズ・へブンの若者たちは、25日のミサで教皇が使う祭壇と聖書台を制作した。

今回作られた椅子は、アルゼンチンのイエズス会の枢機卿であった教皇が、2013年の就任時から一貫して使用している、それまでの華麗な装飾のないシンプルな椅子に似ているという。

ニューヨーク滞在中、教皇は米同時多発テロ(9・11)の犠牲者の家族と会見し、テロの標的となった世界貿易センタービルの跡地であるグラウンド・ゼロを訪れ、9・11記念博物館で行われる多宗教による儀式を執り行う。また、聖パトリック大聖堂での夕刻の祈り、国連総会での演説、スパニッシュ・ハーレムにあるカトリック系学校への訪問、セントラル・パークでの行進などを予定している。ニューヨーク以外にも、首都ワシントンとフィラデルフィアを訪問。バラク・オバマ米大統領とも会見し、ホワイトハウスでの式典にも参加する。

教皇フランシスコは、米国を訪問する4人目の教皇。米国カトリック司教協議会によれば、この訪問は「教皇として10回目の司牧訪問」だという。教皇フランシスコの米国訪問は、現地時間22日から27日まで。訪問についての詳細は、同協議会の専用ページ(英語)で知ることができる。