2015年4月22日07時56分

「イスラム国」、9・11の再来を示唆する動画公開

翻訳者 : 木下優紀

「イスラム国」、9・11の再来を示唆する動画公開
「イスラム国」(IS)が実行支配するイラク北部のモスルで、十字架に縛り付けられた2人の男性の前で罪状を読み上げる、覆面したIS戦闘員。このあと2人は、山賊行為を理由に後頭部を銃で撃たれ処刑された。(写真:「Justpasta.it」のスクリーンショット)

過激派組織「イスラム国」(IS)は最近、2001年に起きた米同時多発テロ事件(9・11)の再来を予告する約11分間の動画を公開した。ISはこの動画で、地理的理由から米国が安全と思われているが、「ジハード(聖戦)の軍隊」が近づいているなどと警告した。

公開されたのは「私たちは米国を焼き払う」と題した動画。動画の日付は3月10日となっているが、英インディペンデント紙(電子版)は4月13日に動画の存在について報道した。同紙によると、今回のような動画が投稿されたのはこれが初めてではないという。ISは1月にも、バラク・オバマ米大統領を斬首し、米国をイスラム教国とするなどと脅迫していたという。

ISは今回の動画で、「見ての通り、米国はイスラム教徒の地を侵略し、そしてジハードの軍隊は彼らの土地には来ないだろうと考えている。しかし、自分たちは安全だという米国民の夢は今や蜃気楼(しんきろう)となった。今日この時、全ての米国民にとって、この地球上に安全はない」などとどう喝している。

また、「今こそ報復の時だ。アラーの恩恵によって、ジハードに参加する戦士はますます強くなり、より多くの物資を持つようになった。そのため、今やもう一度米国を焼き払うことができる」と述べ、米国のみならず世界を震撼(しんかん)させた9・11の再来を示唆した。

ISはまた、昨年8月にISに殺害されたジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏を含む米国人の斬首を思い起こさせた。

この動画では、1月に発生したフランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の襲撃事件や、昨年10月のカナダ議会銃乱射事件など、欧米諸国で行われた他のイスラム過激思想に影響された人々による襲撃事件も正当化した。