2014年6月13日22時31分

28歳神父が銃撃受け死亡、教会に侵入した強盗が発砲か 米アリゾナ州

記者 : 内田周作

米南西部アリゾナ州の州都フェニックスで現地時間11日午後9時(日本時間12日午後1時)過ぎ、何者かがカトリック教会「慈しみの母宣教会(Mater Misericordiae Mission)」に侵入し発砲、神父1人が死亡、別の神父1人が重傷を負った。米紙「USAトゥデイ」などが伝えた。

同紙によると、死亡したのはケネス・ウォーカー神父(28)。ジョセフ・テラ神父(56)は重傷だが命に別状はないという。

フェニックス教区は12日、コメントを発表。「われわれは、聖ペトロ会に所属する2人の修道会司祭、ジョセフ・テラ神父とケネス・ウォーカー神父に対する昨夜の悲劇的な襲撃を知り、驚愕と深い悲しみの中にいます」と、事件を悲しみとともに伝えた。

同教区や報道によると、容疑者は現在も逃走中で、警察が捜査に当たっている。2人はこれまで同教会に4年あまり住んでいた。

テラ神父が通報し、駆け付けた警官は、同教会の司祭館で重傷を負ったテラ神父とウォーカー神父を発見。ウォーカー神父は銃撃を受け、病院に搬送されたが亡くなった。同教区のフレッド・アダムソン神父によると、テラ神父は、ウォーカー神父に対し、カトリック教会で行われている臨終前の最後の聖餐を行うことができたという。

同教区は、「2人の司祭のために、またこの修道会共同体のために、そして彼らの家族と教区信者らのために祈るようお願いします」と、祈りを求めている。また、亡くなったウォーカー神父については、「永遠の安らぎが彼の上にありますように。主よ、そして不滅の光が彼の上に輝きますように。平安の中で眠りたまえ。アーメン」と言葉を添えた。

フェニックス警察のダニエル・ガルシア署長はAFP通信に対して、有力な物的証拠はあるものの、目撃者がないこと、また侵入者の数も不明であることを挙げ、「強盗だという通報を受けたが(事件の性格を)決めつけないよう慎重にしたい」と語っている。

当初は、教会所有の車が1台盗まれたと伝えられていたが、事件現場から数ブロック離れた場所で乗り捨てられているのが発見されている。

ウォーカー神父は2012年5月に叙階。アダムソン神父は米NBCニュースに対し、ウォーカー神父はフェニックス教区では「とても信仰的な奉仕者」として知られていたと語っている。また、聖ペトロ会のミシェル・スティンソン神父は、ウォーカー神父について「若く、外に出て行く司祭」だったと語っている。