2013年9月29日19時26分

使徒の働き味読・身読の手引き(2) 宮村武夫牧師

宮村武夫牧師

祈りと聖書
使徒の働き1章12~26節

[1]序

使徒の働き1章12~26節に描かれているエルサレム教会の姿を通して教えられること。

[2]祈りの群れ

1章12~14節には、父の約束に祈り続ける人々の姿を見ます。

(1)どのような人々が集い、父の約束を待ち望んでいたのか。
①11弟子

②婦人たちやイエスの母
婦人たちについては、ルカの福音書8章1~3節、24章10節。イエスの母については、ルカ2章35節。祈る婦人たち、祈る母親の姿。

③イエスの兄弟たち
ヨハネ7章5節、「兄弟たちもイエスを信じていなかったのである」。

(2)どのようにして父の約束を待ち望んでいたのか。
①父の約束に立ち

②みな心を合わせ

③祈りに専念

[3]聖書に基づき

(1)1章16~19節、聖書の光を通して直面している現実を理解する。
ユダについて、詩篇69篇25節、「彼らの陣営を荒れ果てさせ、彼らの宿営にはだれも住む者がないようにしてください」。

①ユダと11弟子、一体性と相違。

②相違の理由。人間的要素の違い故ではない、聖書のことばの成就(16節)として。

(2)1章21~26節、聖書に基づき現実的な行為。
①22節。第一段階、原則の確認。

②23~25節。第二段階、可能性の前で。

③26節。第三段階、決定。

[4]結び

(1)「祈りに専念する」群れ、聖書に基づき現実の生活を導かれる人々。
祈りと聖書は、エルサレム教会を導く神の恵みの手段であり、彼らはこの二つを決して軽んじていない。

(2)聖書と現実生活のかかわりは、二つの面があります。
①ユダについての場合のように、聖書を通し現実生活の中に生じた出来事の意味を悟ること。

②もう一つは、マッテヤ選出の場合で、聖書の教えに基づき行為と生活を整えようとすることです。エルサレム教会では、祈りつつ、聖書に基づくものの見方と生活のなし方を進めています。まず聖書に基づくものの見方や生活をなしつつ、祈り続けています。ここから、私たちも進むべき道を教えられます。

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宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。