【CJC=東京】「神を信じなくても自分の良心に従えば、神は慈悲を施すだろう」。教皇フランシスコは9月11日、イタリアの日刊紙「ラ・レプッブリカ」に送った書簡で言明している。
同紙の共同設立者でもあるユーゲニオ・スカルファリ元編集長は無神論者として知られる。同氏がこの8月、紙上のコラムで教皇に公開質問した。すると教皇から長文の返事が寄せられたもの。同紙9月11日付1面に教皇書簡が掲載された。
書簡は非信者の霊的状況を、明快、率直に評価している。「救い」の問題を唯一裁定する制度について、教皇は、罪、良心、赦しがカトリック教会の占有ではないという考えにドアを開いたように見える。
スカルファリ氏は、教皇に「信じず、信仰を求めない人をも神は赦す」かと質問した。教皇は、信じない人でも神の赦しから外されてしまうわけではない、と答えの中で示唆した。
教皇は、「真心と懺悔の心を持てば、神の慈悲には限界がない。信仰がない人にとって、問題は自らの良心に従うこと」と述べた。そして、「無神論者たちは、良心に外れる行動をする時、罪を犯すことになる」とし、「良心に耳を傾けてそれに従うことは、善と悪を分けて判断するという意味だ」と述べている。
教皇にとっては、「関係というものなしに」存在するというのなら「絶対的な真理」といったものは存在しない。
「真理は、キリスト教信仰によれば、わたしたちの為の、イエス・キリストにある神の愛だ。だから真理は一つの関係なのだ」として教皇は「遅さ、不信仰、過ち、罪をメンバーに対し犯してきて、今も犯しているにしても、教会はイエスと共に生き、イエスを証しする以外に意義も目標もない。わたしを信じてほしい」と述べている。